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大内神社・「見上げると神代文字」というインパクト

以前紹介した熊山遺跡のほぼ真南にあたる山麓地域、岡山県備前市香登本に、大内神社が鎮座しています。
国道2号線の香登交差点か大内交差点で北に折れ、新幹線の高架を潜った、古くからの集落内にありました。


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遠くから見るとわからないものの、境内付近から見ると、背後は整った里山です。神体山でしょうか。
この山で、古くからの祭祀が行われていた可能性があります。


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また境内の稲荷社は、本殿の下に石で固められた土台がありました。
すこし気になるところです。


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しかしそれら以外は、一見ごく普通のお社に見えます。

  ☆

ところがここには、驚くべきものがありました。
拝殿の屋根付近をご覧ください。


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何とも謎めいた、見事な彫刻です。ここまですごいのは見たことがありません。

備前市文化協会『創立25 周年記念誌わがまちの文化遺産』には、
「拝殿の向拝、唐破風(からはふ)は、古代文字を彫刻した兎の毛通しを付けている。」
と書かれているとか。

つまりこれは、古代文字(神代文字)とされているのです。


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「神寶記」と書いた書物が立体的に彫られていますが、神代文字で書かれた書物が神社の神宝という意味でしょうか。

参拝者が頭を垂れる場所の上に、これが設置されているということは、大変重要な意味を持つと思います。このお社のシンボルなのでしょうね。
地元の方は、この神代文字をまずは見上げてから、三柏手で参拝するのだとか。

一説によると、これは神代文字の中でも『阿比留文字(アヒルモジ)』と呼ばれるもので「おお(ほ)ちのやしろ」と読めるそうです。

  ☆

ウィキペディアの「神代文字」には、こう書かれている部分がありました。

主に神社の御神体や石碑や施設に記載されたり、神事などに使われており、一部の神社では符、札、お守りなどに使用するほか、神社に奉納される事もあった。また、機密文書や武術の伝書のほか、忍者など一部の集団で秘密の漏洩を防ぐために暗号として使用されたという。江戸時代の藩札の中には、偽造防止のため意図的に神代文字を使用したものもある。

鎌倉時代のころから朝廷の学者によって研究されたほか、江戸時代にも多くの学者に研究されたが、近代以降は、現存する神代文字は古代文字ではなく、漢字渡来以前の日本に固有の文字はなかったとする説が一般的である。その一方で、神代文字存在説は古史古伝や古神道の関係者を中心に現在も支持されている。


そして古代文字・神代文字の種類は、ウィキペディアによるとこんなにたくさんあるようです。


阿祖山文字 - アソヤマモジ 『富士宮下文書』の「古代文字」
天名地鎮 - アナイチモジ アナイチ文字
阿比留草文字 - アヒルクサモジ 日文草書
阿比留文字 - アヒルモジ 日文真字
天越根数文字(あめこしねかずもじ)
阿波文字 - アワモジ
出雲文字 - イヅモモジ
斎部文字 - イムベモジ 忌部文字
春日文字 - カスガモジ 『九鬼文書』の神代文字
カタカムナ文字 - カミツモジ カタカムナの文字
吉備文字 - キビモジ
クイボク文字 -
杵楔文字(きねくさびもじ)
楔文字 - いわゆる楔形文字に似た形の文字
惟足文字 - コレタリモジ コレタリ文字
サカリヒミ文字
竜文字(たつもじ) - 竜体文字ともいう。
種子文字(たねこもじ) - タネマキ文字、イスキリス文字とも言う
種子草文字 - 「神字日文伝」に登場する文字。中臣氏の祖である天種子命の作と伝わる
筑紫文字 - ツクシモジ 古墳の壁画という意見もある
対馬文字 - ツシマモジ 対馬卜兆文字
豊国文字 - トヨクニモジ  上記(うえつふみ) - 豊国文字で記された文書

中臣文字 - ナカトミモジ
南朝文字 - 南朝古字 南朝伝神代文字
ヒスミエ文字 -
ヒタラ文字 -
ヒフ文字 -
北海道異体文字 - アイノモジ アイヌ文字
物部文字 - モノノベモジ
守恒文字 - モリツネモジ リツネ文字
ホツマツタヱ - ヲシテで記された文書
ミカサフミ - 上に同じ
フトマニ - 上に同じ

琉球古字 - 琉球で占いに使う。神谷由道が「琉球の古代文字」と発表
わらび文字 -


こんなにあったのですね。
驚きです。

  ☆

これは、かつて記事にした滋賀県高島市の三尾里にある、古代文字が彫られたとされる岩です。


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これらは、継体天皇の第一皇子である安閑天皇を祀る安閑神社の横にありました。
装飾古墳の一部であったとも、三尾神社に伝わった「秀真伝(ほつまつたえ)」に記される古代文字とも言われているそうです。

これらの神代文字・古代文字は、ウィキペディアに書かれるように
「近代以降は、現存する神代文字は古代文字ではなく、漢字渡来以前の日本に固有の文字はなかったとする説が一般的である。」
とするならば、全部ニセ物、後世の偽作ということになります。

はたして、それですべてが説明できるのでしょうか?

  ☆

これは、カイダー文字です。

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(ウィキペディア・カイダ文字より)

この見慣れない文字は、かつて沖縄県の与那国島等で使われていた象形文字であり、明治時代に小学校令が発布されるまで実際に使用されていました。

主に商品の売買記録や徴税記録に用いられたもので、一般の文章が表記できるまでには発展せず、公教育が導入されて以降は漢字や仮名が普及したため、使用されなくなったとされます。

ただし発案は中世とされ、古代文字ではありません。(与那国島海底遺跡には、カイダ文字の岩があるとも言われますが・・・)
寺子屋の発達で漢字や仮名が普及し、識字率の高かった本土とは状況が違うようですね。
無文字文化と高度な漢字・仮名文化の間に、簡便な象形文字文化が存在したわけです。


とすると、こんな仮説は考えられないでしょうか・・・・

日本の古代社会では、漢字導入以前、小地域ごとに異なる象形文字的な伝達記号が存在した。
しかしそれでは、かつてのワード・一太郎・IBMロータスのように互換性が低く、文書を受け取っても文字化け同様で意思が伝わらない。


(私は最初ロータスだったので、フロッピーで文書を渡したら、文字化けして全く読めないと苦情を言われました(>_<)

そこで、世界帝国である中国の漢字を学べば、ヤマト王権との意思疎通だけでなく、直接中国との交渉も可能になる等、グローバルな利点がある。
ただし、言語すべてを漢字化することはできない。それは現在でも、神社の祝詞やお守りに、通常は英語が使われないのと同様である。伝統祭祀は、伝統文化の上に成り立つからだ。
こうして、国土の大半が複雑な起伏地形であり、独自のローカル文化が存続しやすかった日本において、いわゆる「古代文字」「神代文字」が神社信仰に付随するかたちで生き残った・・・・


如何でしょうか。
カイダー文字同様、無文字文化と漢字文化の間に、簡易な古代文字文化があったとして何の不思議もないと思うのですが。
むろん、血気盛んな古神道家?による創作もあったかもしれません。

  ☆

大内神社に掲げられていた阿比留文字は、対馬国の卜部氏および阿比留氏に伝わったといわれる文字で,阿比留家の文書に阿比留草文字や対馬文字と共に書かれているそうです。
朝鮮のハングルのパクリだとする説もあり、「どうせ神代文字なんて偽作にきまっている」という否定的な考え方の根拠のひとつにもなっているとか。


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さて、真実は如何に(@_@;)


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コメント

ハングルに似ている

>朝鮮のハングルのパクリだとする説もあり、「どうせ神代文字なんて偽作にきまっている」という否定的な考え方の根拠のひとつにもなっているとか。

〇今回も興味深い記事でした。
 そして、この神社の文字はハングル語に見えますが、どうなのでしょう。

No title

ハングルは歴史が浅いでしょ?この神社は確か江戸時代位に建て替えられているのでハングルを真似できないと思います。
江戸時代の職人が昔からあった神代文字をそのまま映して作成したそうです。
神代文字で、おおうちって書いているそうですが…

Re: ハングルに似ている

レインボー様

> そして、この神社の文字はハングル語に見えますが、どうなのでしょう。

徳島県阿波町にも「大鯰の歌碑」という阿比留文字で書かれた石碑がありますが、こちらの方はもっとハングルに似ています。
ハングルを真似したのか、逆にハングルが阿比留文字を真似したのか、決着はついていません。
「伊勢神宮の神宮文庫には阿比留文字をはじめとする神代文字の奉納文がたくさん残っているから、明らかにハングルより古い」という見解があれば、逆に「その神宮文庫の館長で皇學館大学学長の山田孝雄博士は、奉納文を明治期に書かれた新しいものと断じておられるではないか」と言うように、互いに譲らない様相です。
なかなか素人には入り込めません(^_-)

Re: No title

小僧 様

ハングルは1446年に李氏朝鮮第4代国王の世宗が公布しました。大内神社本殿再建が1703年で、関係者の記憶をもとに再現されたそうですね。
大内神社社記に「大宝年中香登臣秦大兄修繕」との記録があるので、701~704年の修繕時にあったのかどうかが問題のようです。
あるいは、どちらもユーラシアのさらに古い文字を起源にしているという説もあるようで、その場合はキリル文字・ソクド文字・パスパ文字などとの比較検討も必要なようです。

上記の記録にも出ますが、このお社は秦氏も絡んでいるようで、原始キリスト教(景教)との関連はないのか、いろいろ考えていくと頭が混乱します。

No title

いつも楽しい記事をありがとうございます。
書き込みを復活して下さり、感謝申し上げます。
神代文字に関しては、愚生の住んでいる徳島には
色々ありまして、さざなみ様が御紹介の鯰の碑も
含めて下記で見ることができます。

sueyasumas.exblog.jp/9636747/
goutara.blogspot.com/2010/08/blog-post_15.html
goutara.blogspot.com/2010/11/blog-post.html

資料が少なすぎるので、謎の検証ができるかどうか
となると難しいですね。
イースター島のロンゴロンゴにしても、西洋人が上陸
してから創られた新しい文字という説が有力だった
り、サンプル数が少ないので未だに真実は判りませ
ん。

Re: No title

鯨 様

神代文字は、たしかに取り扱いが難しく、真実は分かりませんね。
まあ、夢とロマンが残っていることをよしとしましょうか(^_-)-☆

あす、剣山の大剣神社を出す予定です。また情報や補足よろしくお願いします。

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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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