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吉備の神(みわ)神社と朝間薬師堂と横溝正史

総社市矢代の神神社裏山の中腹にある、名前のない巨石群。


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やや岩屋状の窪みがありました。


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すると、人が通り抜けられる大きさの穴が、裏側へと通じています。
上部は削ったような跡がありました。

表側から見ただけで、実際には通っていません。
しかし裏側が明るいということは、この巨石群は壁のような形状で、この穴が貫通しているのでしょうか。
山体から突き出た露岩だと思っていたので、意外です。
また、狭い岩間を通り抜ける場所があることは、後の「茅の輪潜り」と同じ再生の意味を持つ祭祀思想だと思います。

  ☆

さて、この巨岩帯を通過した所に、建物があります。


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これが朝間薬師堂の休憩所あるいは参籠所のようで、四畳半ほどの広さに畳が敷いてあります。
さらに進むと、朝間薬師堂を覆う建物が見えました。


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中を覗いてみます。


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建物で覆われ、天候にかかわらず礼拝ができる、かなり整った岩屋です。しかし本来は、ごつごつした巨岩群に開いた岩屋でしょう。
背後を見ると、ドルメンのように載せられた岩に隙間が開いていました。岩組みのままの方が、ワイルドな神秘感が伝わってきたと思います。
仏教信仰が入ってくる前から、これらの場所は原始神道系の祭祀場だったのではないか、そんな気がしてなりません。

  ☆

これは、山麓の神神社です。


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帰宅後、この神神社について調べました。

奈良の三輪山から勧請したため、大神神社の「大」を取って神神社とした、などという説が有力でしたが、両社の関係は不明であるという説も少し見られます。

しかし主祭神が『大物主神』で、境内社に『大田田根子命』を祀る若宮神社があるところを見ると、大神神社と関係があるとして間違いはないと思います。

  ☆

ところで『犬神家の一族』などで知られる横溝正史は、1945年(昭和20年)4月より3年間、岡山県吉備郡岡田村(現・倉敷市真備町岡田)に疎開していました。

戦前戦中の探偵小説は、発表に制限があったり、検閲により削除を命じられたりしたそうです。
横溝正史は
「戦争中圧殺されていた探偵小説もやがて陽の目を見ることが出来るであろう」
と考え、
「晴耕雨読で、やがて来たるべき文芸復興の日に備えていた」
とウィキペディアには記されています。

疎開先の真備町岡田から朝間薬師までは、直線距離で1~2km。
「神楽太夫」「鴉(からす)」「首」の作品では、このあたりをその舞台のひとつにしているそうです。
『きんでーち(金田一)会』様の「春の金田一耕助誕生の日」記念の特別会では、ここで横溝作品の朗読会も行われています。

横溝正史の作品群には、日本の土俗的文化が色濃く登場します。
原始神道時代から続いているであろう、朝間薬師の謎めいた壮大な巨石群から受ける衝撃は、神神社・点在する池・山麓の淋しい村落とともに、捲土重来を待つ彼の作家精神にある程度の影響を与えたのではないか。


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そんなことを、ふと思いました。


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コメント

No title

再開有難うございます。とっても嬉しいです。
以前からほぼ毎日更新されていて凄いなぁと思っていましたが、ご無理なさらず月一でもいいので時間のある時に宜しくお願い致します。
お身体ご自愛ください。

Re: No title

小僧 様

丁寧で優しいご挨拶、ありがとうございます。
いろいろあって一時休止しましたが、週に二回くらいは更新できたらと考えております。
まだバタバタしていて、簡単なお返事しかできませんが、今後ともよろしくお願いいたします(^^♪

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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