FC2ブログ

記事一覧

尻尾があって光るという人々の遺跡と神武天皇の神跡

昨日、「神武東征神話」の中で、神武天皇が吉野周辺で出会う人々が、『日本書紀』に何とも不思議な記述で描かれていることを書きました。

吉野についたとき、人がいて井戸の中から出てきた。
その人は体が光って尻尾があった。
天皇は「お前は何者か」と問われた。
答えて「手前は国つ神で、名は井光(いひか)といいます」と。
これは吉野の首部の先祖である。


この「井光」という名の集落と、「井光神社」が、川上村の深い山の中にあります。(いかりとも読みます。)

かつては「体が光って尻尾があった」と『日本書紀』に記された人たちが住んでいたところでしょう。


先日、そこを訪ねました。

目的地は、井光(井氷鹿)の神を祭神とする

井光神社
と、その先の山中にあるはずの
仏が示現する「三船の滝」
さらにその奥の
人面岩とささやかれる神秘の巨大磐座・「大塔宮」

の三カ所です。

  ☆

山深い吉野郡の川上村、その役場から国道169号線をさらに南下し、武光橋を渡って、渓谷沿いの細いクネクネ道をたどります。

一応舗装していますが、すれ違えない狭い場所も多く、深山幽谷の雰囲気です。


IMG_8069_convert_20181205113059.jpg


IMG_8073_convert_20181205113248.jpg


下の巨岩の上には、長径1mはありそうな三個の黒い岩が並んで乗っています。
その背後には、形の整った別の巨岩。


IMG_8067_convert_20181205113011.jpg


谷の両側の崖から転げ落ちたなら、こんなにうまく乗るとは思えません。
ふつうなら、祠があるところでしょうね。

それにしても、この先に集落があるとは、とても思えない道路です。
しかしさらに進むと、やや開けたところにキャンプ場のようなところがあり、案内板がありました。


IMG_8071_convert_20181205113152.jpg


そこから急な坂道を登ると、突然視界が開け、斜面に集落が出てきます。
まさに隠れ里。


IMG_8218_convert_20181205113333.jpg


谷間ではすでに陽が沈みかけていますが、ここではまだ眩しい太陽が輝いていました。
そのまま斜面を登ると、鳥居があります。そこがめざす「井光神社」でした。


DSCN3641_convert_20181205112907.jpg


DSCN3636_convert_20181205112704_20181205113755cf7.jpg


DSCN3613_convert_20181205111805.jpg


DSCN3618_convert_20181205112100.jpg


DSCN3634_convert_20181205112613.jpg


二礼二拍手一礼のお参りをすませ、本殿の周囲を見ると、三角形の岩があります。
ここは、磐座信仰のお社なのでしょうか。


DSCN3620_convert_20181205112225.jpg


DSCN3621_convert_20181205112306.jpg


念のため、本殿の裏に回ると、かなり大きな岩があります。

本殿の真裏ですから、間違いなく磐座です。かつてはここに神様が降臨したのでしょうか。


DSCN3623_convert_20181205112353.jpg


DSCN3627_convert_20181205112443.jpg


ところが、さらに背後の斜面を見ると、飛び飛びに岩が散在し、頂上方面へつながっている気がします。


DSCN3630_convert_20181205112528.jpg


帰宅してから調べて分かったのですが、かなりの巨岩がまだこの上にあるようでした。

やはり原始的な磐座信仰が色濃い地域のようです。

しかし、このお社に巨石信仰・磐座信仰の伝統があるとすると、どうしても気になる立石があります。
道を挟んで鳥居の反対側に立つ、二本の岩です。


DSCN3640_convert_20181205112800.jpg


DSCN3611_convert_20181205111707.jpg


社殿や鳥居が建つ前には、この岩が鳥居の役目をして、聖域を区切っていた可能性があります。
ふつうは鳥居の向こうに神社の本殿が見えるように、この立石を通して磐座群と、背後の山頂部が見えていたのではないでしょうか。


  ☆


さて、初めに書いたように、この井光地区で行きたいところがもう二ヶ所。
まず、ひそかに人面岩ではないかとささやかれる、神秘の磐座「大塔宮」。

ここには、
字御舟山邊り御舟が滝巖上に小祠一社あり、里人呼で大塔と言傳ふ。
祭神は井氷鹿の守護神なり。大塔宮は、皇祖神武天皇をも祭り、古来より矢塚と奉申。神武帝皇居、吉野に被為御定諸方群賊を亡し遷幸あらせ賜ふに勝利の御矢を納めたまいしところなり。

という伝承がありました。

井光(井氷鹿)の守護神であり、神武天皇が勝利の後、矢を納めたという重要なお社です。

さらに行って見たいもう一ヶ所は、不思議な仏の姿が現れる「御船の滝」です。
この滝は、大塔宮へ登る途中なので、迷わなければ見えるはずでしょう。


しかし、先ほどの案内地図では、御船の滝まで2.5㎞で、そこから大塔宮まで15分と書いてありました。
短時間とはいえ、標高1000m近い場所での登山ですから、日が暮れないうちに行かないと大変です。
車でどこまで行けるかは不明ですが、とにかく急いで渓谷沿いの道を走りました。


これは、林道途中にあった「岩戸の滝」です。


DSCN3525_convert_20181205111217.jpg


DSCN3531_convert_20181205111401.jpg


滝壺を隠すように切り立った岩は、確かに岩戸を連想させます。
なかなか美しく神秘的な滝でした。


そのまま細い林道をくねくね登ると、少し開けた場所に案内板がありました。
数台は駐車できるスペースもあります。


DSCN3610_convert_20181205111622.jpg


これは何とか行けそうだと元気になり、登山靴に履き替えて登りはじめました。
しかし、この橋。


DSCN3603_convert_20181205111536.jpg


まさに、「自己責任」で進みます。

ほとんど人が通らないのでしょう、登山道もこの通り。


DSCN3546_convert_20181205111449.jpg


暗くなれば、道の判別は不可能です。

考えてみれば、台風21号で近畿の山は荒れています。川上村の中心部も復旧工事で一部通行止めでした。
ほんとにこのまま進めるのか、不安になってきます。

(続く)



家計と休日予定をやり繰りして全国を回っております。ネタ不足で自転車操業ですが、よろしければ三つクリックしていただくと励みになります。
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村


神社・仏閣ランキング

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

フリーエリア