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国内有数 『野間の大ケヤキ』・癒しの聖樹を見上げて!

古い神社に行けば、その多くに注連縄をめぐらせた杉の木などがあります。
御神木ですね。

御神木は、神様が天空や海の彼方から来臨する目印や依り代として、信仰上大変重要な役目があります。
磐座と違って、四季折々に姿を変え、たくましく育つ様子に、人は畏敬の気持ちだけでなく、温もりと癒しを感じたように思います。

そんな御神木のひとつが、大阪府大阪府豊能郡能勢町野間稲地にそびえ立つ、
野間の大ケヤキ
です。

交通の便はあまりよくない山間の平地ですが、休日ともなれば車やバイクが次々と訪れます。


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このケヤキは、国指定天然記念物で、新日本名木100選にも選ばれています。

また隣接する資料館には、「野間の大ケヤキ」に関するさまざまな情報が集められていました。


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アオバズクとフクロウも住んでいるようです。


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  ☆


さて、神様の依り代という役目は同じでも、磐座と違って御神木には四季折々の姿があります。

次の写真は、2011年の11月末に撮影したものです。


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同じ年の少し前、9月には、まだ葉が青々と茂っていました。


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ここで、あれ?と気が付かれた方もおられるでしょうね。
周囲の様子が少し変わっています。

自動販売機は目立つ赤から、自然に調和した緑系に変えられています。
さらに、休憩用のベンチがたくさん設置され、今回はなんと屋台のような喫茶店までありました。


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じっと見ていると、次々に注文が入り、店員さんも忙しそうでした。

「管理人さんも記事のネタにコーヒー飲んだのかな? ご神木の下で飲むコーヒーはおいしかったでしょうね!」

いやいや実は、コーヒー一杯が400円也。

毎週末のガソリン代やら高速代で財布に秋風が吹き、お色直しをした自販機の缶コーヒーでガマン。
それでもやはり、御神木の木肌の温もりと癒し感が漂い、たくましい生命力への畏敬の念が漂うこのロケーションですから、ただのジョージアでも十分おいしかったです。


  ☆


さて、「野間の大ケヤキ」の大きさは、大阪府下では「三島神社の薫蓋樟」に次ぐ第二位の幹周りを誇ります。

その「三島神社の薫蓋樟」がこれです。


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立地を見ると、まさに神社の中心、本殿前にそびえるという名実ともに御神木だと分かります。

しかし、この「野間の大ケヤキ」には、背後に祠程度の小さなお社しかありません。
なぜ「三島神社の薫蓋樟」と立地が違うのか。


その答えは、説明版にありました。


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この大ケヤキのある地は、かって「蟻無宮」とよばれた神社の境内だったそうです。そしてこの大ケヤキは、その神社の御神木であったと考えられています。

神社は鎌倉時代中期の承久2年(1220年)の創始と伝えられていますが、残念ながら明治時代に野間神社に合祀されたそうです。
国家による神社統制のため、古い伝統を誇る地域のお社がたくさん統廃合されたのですが、ケヤキの立つ「蟻無宮」も移転合併してしまったのです。
転居によるペットの置き去りでさえ責任が問われるのに、御神木を置き去りとは・・・・・

まさに、「なんということでしょう!!」

しかしありがたいことに、ぽつんと残った御神木は地域の方々に大切に見守られてきたのですね。


神話学では、世界樹・宇宙樹・生命の木などと呼ばれるカテゴリーがあります。
インド・ヨーロッパ、シベリア、ネイティブアメリカンなどの宗教や神話に登場する、世界が一本の大樹で成り立っているという概念等です。

日本には明確なそれらはないとされますが、『風土記』には
「朝日の影は○○へ届き、夕日の影は△△までとどく巨大な木」
としていくつか登場します。

ところがこれらの具体的な場所を検証すると、冬至や夏至の頃にしかそれが当てはまらないなど、単なる地誌的記述ではない隠された信仰文化が顔を覗かせています。

私は、小さな平野や盆地、はては山間の平地に至るまで、そこに巨大な御神木の記録があったなら、それは極めてローカルな世界樹・宇宙樹的役割を果たしていたのではないか、そんな気がします。


このケヤキのすぐ隣には、穏やかできれいな川が流れ、子どもたちが遊んでいました。


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  ☆


そろそろ陽が傾いてきました。

いつの間にか家族連れは姿を消し、喫茶店も店じまいです。


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11月は落葉の季節です。

ケヤキさん、また来年の春、若葉の芽吹くゴールデンウィークに、また来ます。

・・・・・こんどは喫茶店のコーヒーで(^_-)


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コメント

勇壮なケヤキ、記事引用

勇壮なケヤキ、拝見しました。
こういうケヤキが我が故郷にもあったこと、思い出しました。

ところで、貴ブログの興味深い記事(女木島)、拙ブログで引用させていただきました。ありがとうございます。
草々

Re: 勇壮なケヤキ、記事引用

拙い文を引用していただき、ありがとうございます。

≪瀬戸内海関係の多くの物が集積され、大洞窟はそれらの保管場所として使われていた可能性があります。≫

というお考えは、確かに可能性があると思いました。低温倉庫も備えた、一種の流通センターのような施設だと考えると、得意の船便で九州から畿内に至るまで速配可能だし、敵の不意打ちリスクも軽減されますね。

今までそんなことを考えた人がほとんどいなかったと思うので、眼からうろこの推論でした。

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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