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女木島の巨大洞窟・古代遺跡かB級スポットか?

高松市の沖合約4kmに位置する女木島(めぎじま)は、桃太郎伝説に登場する鬼ヶ島といわれます。
また映画「釣りバカ日誌 」「めおん」「百年の時計」のロケ地としても知られています。
さらに瀬戸内国際芸術祭の会場の一つともなりました。

この島のほぼ中央、三角の山の山頂近くに全長約400m、広さ約40000平方メートルの巨大な洞窟があります。
1914年(大正3年)に郷土史家・橋本仙太郎により発見されたとされ、紀元前100年頃に人工的に造られたものと推測されているそうです。

観光的には「鬼の洞窟」として宣伝されていますが、その正体は何なのか?
また弥生時代の遺跡というのは本当なのか?


先日は縄文洞窟の記事も書いていますので、大変興味深く思い、探訪してきました。

  ☆

3連休の混雑を避け、朝イチの8時に高松港を出る船に乗ります。


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海から見ると、女木島は細長い山と三角の山の間にある、それほど広くない低地に港や集落がある感じがします。


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洞窟のある山はきれいな三角形です。
神の降臨する神体山の雰囲気があります。


高松を出てから20分ほどで到着。

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港を下りると、なかなか年季の入った小型バスが待っていました。


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車幅ぎりぎりの狭い山道をバスはぐんぐん登ります。
道路に張り出した枝と車体がバンバン接触し、なかなかのスリルでした。


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バスに揺られるという表現がありますが、まさに15分間揺られて、洞窟前に到着。
大きな鬼がお出迎えしてくれます。


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バスに乗っていたのは10人ほどですが、ガイド役のおじさんがみんなをまとめて案内してくれました。


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では、洞窟内の写真をご覧ください。


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地元の中学生制作の鬼瓦?がびっしり置いてあります。

「上手な作品」は前面に、「それなりの作品」は後ろに展示されているとか。
ついでに言うと、ガイドのおじさん、綾小路きみまろさんを思い出すような、なかなか軽妙でユーモラスな解説でしたよ(^_^)/~


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さらに奥へ進みます。


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水も完備。
いよいよ不思議です。


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日本むかし話そのままの鬼さんがいました。


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というわけで、最後に出口から外に出ると、その上は柱状節理の崖でした。


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  ☆


さて、この巨大な洞窟の正体は何なのか?

もちろん観光協会的には「鬼が島」の鬼が住んでいた洞窟なわけですが、この説明で納得するのは小学生だけでしょう。

紀元前100年頃に造られたと書いた観光案内もあるので、現地で確かめましたが、特に土器や遺物は出ておらず、厳密な年代はわからないという答えでした。

ではいったい、この巨大な洞窟の正体は何なのか?

洞窟をよく見ると、ところどころ狭い部分がありますが、床はほぼフラットで準バリアフリー。鬼さんは福祉的な意識が高いのかと感心してる場合ではありません。天井には明らかに人の手による掘削跡が残っていることからも、かなりの人数が関わって整備開削された洞窟であることは間違いないでしょう。

ひとつヒントになるのは、この洞窟の少し下に円山古墳という直径15メートルほどの5世紀ごろの古墳が残っていることです。


副葬品として、純金製でハート型をした耳飾りや刀などが出土しており、教育委員会の説明版には朝鮮半島からの舶載品と書かれています。
少なくともこの島に、東アジア圏の貿易や交流があったことは確実です。


また、あらたな日朝関係史の構築を目指して高田貫太氏が書かれた「海の向こうから見た倭国」という本の冒頭は、女木島丸山古墳に埋葬されている古代人と朝鮮半島との関係から始まっているそうです。

さらにあるサイトには、およそ2000年前の蓮花山採石場(広州)で使われていた採石技術の跡が見られることから、弥生時代から古墳時代くらいの間に中国人石工によって掘られたものだという説もありました。


以前、吉備の鬼伝説に関し、本来は鬼の方が正当な支配者ではなかったのかと書きました。そしてその文化はケルトやその巨石文化とも関連する可能性を問題提起しています。

ひょっとすると、女木島の支配者も、東アジア的な動乱あるいは国際的な文化や人の流れの中でこの地に住みついた、高い文化を携えた未知の女王国だったのでしょうか。

この巨大な洞窟は、知られざる文化をもった人たちの地下宮殿なのかもしれませんね。


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コメント

No title

いつも楽しく拝見してます。こんな鬼ヶ島の洞窟があるとは知りませんでした。しかも紀元前の人工物とは。日本にもいろんな古代の遺跡が残っているんですね。

Re: No title

梅村京一朗 様

ありがとうございます。
ブログのネタもなくなってきたなあ、困ったなあ・・・・なんて思っていても、探せばなんとか見つかるというのが実感です。
日本は意外に広くて、不思議な場所も意外にあるようです。
これからも楽しんでいただける記事を書こうとがんばりますので、よろしくお願いいたします。

ひとつヒント、5世紀ごろの古墳

>ひとつヒントになるのは、この洞窟の少し下に円山古墳という直径15メートルほどの5世紀ごろの古墳が残っていることです。

〇たいへん興味深い記事でした
 5世紀は倭国の全盛期、朝鮮半島からの宝物が各地の古墳から出土しております。海洋系マレー系の民族(倭国人)の遺跡なのではないか、と思いをめぐらしました。
 草々

Re: ひとつヒント、5世紀ごろの古墳

>  5世紀は倭国の全盛期、朝鮮半島からの宝物が各地の古墳から出土しております。海洋系マレー系の民族(倭国人)の遺跡なのではないか、と思いをめぐらしました。


> 可能性は十分ありますね。
> 純金製でハート型をした耳飾りが、明らかにマレー系の遺跡から出ると面白いのですが。
> いずれにしろ、この島はマレー系の言語しか通じない地域だったかもしれませんね。

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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