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朝熊山と神島の絶景・なぜ聖域かの謎にチャレンジ

お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り
と伊勢音頭の一節にも唄われたように、参宮を終えた人々は朝熊山(あさまやま)の山上にある朝熊岳金剛證寺(あさまだけこんごうしょうじ)へも参詣するのが慣わしでした。

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朝熊山は、戦国時代から江戸時代初期には時の権力が介入できないアジールとなっていたり、朝熊山経ヶ峯頂上には約40基の経塚が確認されているなど、伊勢志摩を代表する霊山なのです。

しかし、下から見れば特別秀麗な山容でもなく、ごく普通の山並みのひとつにすぎない朝熊山が、なぜそれほど特別の山になったのでしょうか。

今日は、その理由を推理します。


  ☆


車の人は通行料金1250円を払って、伊勢志摩スカイライン経由で朝熊山に昇ります。


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爽快な景色を楽しみながらぐんぐん高度を上げていくと、南峰の東にある標高506 mのピークに大型駐車場と山頂展望台がありました。


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ここからは四日市や名古屋方面、そして神島や答志島などの離島のほか、伊勢湾の彼方に渥美半島を望むことができます。
まさに絶景の展望台です。

ところでこの展望台の広場の片隅には、巨大な岩塊があります。


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磐座研究者には、朝熊山の巨大な磐座として知られています。
しかしここに神社があるわけでもなく、いったい何の神様を祀るのか、その大事な点が謎のままです。

さて、広場には、景観の案内板がありました。
よく見ると、驚くべきことが描かれています。


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三角形の神島(かみしま)の上に富士山が描かれ、その富士山の右から朝日が昇っているのです。
神島に詳しい人なら、ここで鳥肌が立つかもしれません。


  ☆


神島とは、いったいどんな島なのか?

神島は伊勢湾口に位置する、周囲3.9km、面積0.76kmの島で、三重県鳥羽市に属しています。
三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台になったことでも有名です。

そして神島という名が示すように、神の支配する島と信じられていました。
そのため後に八大龍王を祭神とする八代神社が設けられます。この神社には、古墳時代から室町時代にわたる総数百余点の神宝が秘蔵されているのです。

また神島は、様々な祭りが伝承されていることから「民俗学の宝庫」とも呼ばれます。
とりわけ注目されるのは、毎年1月1日未明に行われる八代神社のゲーター祭です。
これは古くから太陽信仰の祭りと言われ、1977年(昭和52年)に三重県の無形民俗文化財に指定されました。
歴史学であれ民俗学であれ、太陽信仰の研究者なら、いちどはゲーター祭を見たいと思うのが普通だと聞きます。

では、朝熊山の磐座から見る神島方面の景色をご覧ください。


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  ☆


なぜ神島が太陽信仰の聖地なのか、そしてなぜ朝熊山が伊勢の霊山なのかが、この説明版から推理できます。

明確に言うならば、
朝熊山の磐座から見ると、二つの大きな島の間(二見興玉神社の夫婦岩と同じ役割)の向こうに神体山のような三角形の神島(興玉神石と同じ役割)が位置し、その上には富士山が見え、夏至の頃の太陽がそこから昇るという驚異の偶然があるからでしょう。


さて、まさか富士山はこんな季節に写るわけないよな、と思いながら適当にシャッター切っていたのですが、家に帰ってパソコンの画面で確認していると・・・・・

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もしかしたら、これ富士山の頂上?
さあ、単なる雲なのか、本当に富士山が一瞬姿を見せてくれたのか?

ちょっと必死になって見てしましました。
こんな自分は、古代や中世の人が富士山に持つ特別の感情と、おそらく同じものを持っているんだなと、改めて気付かされました。

富士山は日本を代表する霊峰。
その下の神島は、日本を代表する太陽信仰の島。
それを見る朝熊山は、日本を代表する伊勢神宮のお膝元の霊山。

それを眺める地点に大きな岩塊が横たわっているのですから、これらに信仰が発生しないはずがないと思います。


それにしても、日本の絶景ここにあり、まさにそんな素晴らしい景色でした。


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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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