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壷阪寺・伝統を守るだけの神社仏閣とは一線を画すスーパー寺院

高市郡高取町壷阪の山中に建つ壷阪寺

このお寺を一言で言い表すことは不可能です。


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ある寺院案内は
「様々なモノをぎっちぎちに一つのお寺に詰め込んだカオスっぷり」
と記し、またある観光案内は
「まるでテーマパークのようなお寺」
と表現しています。

いずれにしろ、古い由緒と建造物を誇って「日本らしさ」という伝統を守る観光寺院とは全く性格を異にするのです。

  
  ☆


① インドとの交流と社会事業

先代のご住職は1960年代からインドのハンセン病救済活動に参加していて、インド国内での奨学金事業や学校運営事業、地域開発・公衆衛生事業に熱心に取り組んでおられました。
そのためインド政府より感謝の意を表して贈られた大小の石仏等がたくさんあります。

ここは、単なる葬式仏教のお寺でも観光寺院でもないのです。


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まずは、入山後すぐの右手に建つ大講堂の展示。


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天竺渡来の「壺坂大仏」と「千手観音」。


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懸崖造りの建物に上って写します。


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さらに、ここが日本のお寺かと疑う仏舎利塔内部。


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仏伝図レリーフ。


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② お里・沢市の「壺坂霊験記」

壷阪寺のご利益のひとつは眼病封じ。
盲目の夫とその開眼を祈る妻の夫婦愛物語が明治時代に作られ、人形浄瑠璃や歌舞伎の公演で大ヒットしました。
感動した観客がその舞台となった壷阪寺に押し寄せて大人気になったそうです。


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アニメファンの聖地巡礼のようですね。
この縁で、目薬や目の病に効くというお守りがたくさん売られています。

で、その物語とはどんなストーリーなのか、要約しました。

  ☆

壺坂村に住む沢市とお里夫婦は仲睦まじく細々と暮らしていました。
沢市は目が不自由なので三味線の稽古、お里は縫い物などの賃仕事が頼り。

あるとき、妻のお里がてこっそりと夜中に抜け出し、明け方になると帰ってくることに気付いた沢一は、
「さては自分に隠れて他の男と逢引をしているのでは?」
と疑いを持ち、お里を問い詰めます。
するとお里は、
「沢市さんの目が治るようにと壺坂寺の観音さまへ毎夜、願掛けのお参りに行っておりました…」
と答えたのです。

事情を聞いた沢市は、貞節な女房を疑い続けたことを心から詫び、そして二人は壺坂寺へ一緒にお参りに出かけていきました。
しかし沢市は
「お里が必死に願っても目が治る見込みなどない…目の見えない自分がいては、将来お里の足手まといになる」
と思い詰め、断崖から身を投げてしまうのです。


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お寺へ戻ったお里は、断崖の上に残された杖を見つけてすべてを悟り、あまりの悲しみに同じ断崖から身を投げてしまいました。

ところが、そんな二人のもとに千手観音菩薩が現れ、二人の深い愛情と信心に免じて、奇跡を与えます。
やがて夜が明け、谷底で倒れていた沢市とお里は起き上がるのですが、命が助かっただけでなく、なんと沢市の目見えるようになったのです。

二人はその後も、いつまでも仲睦まじく暮らしたそうです。



「結局、千手観音菩薩の功徳はすごいという、よく練られた仏教CM説話じゃん!」
と思われる方もいらっしゃるでしょうね。

しかし人形浄瑠璃や歌舞伎の公演で大ヒットし、感動したファン?が押し寄せるというのは、この物語の倫理観や宗教観がかつての日本人の心の根底にある琴線にふれたからだと思っています。
貧しくとも清く正しく美しく生きる庶民と、それを助ける観音菩薩という構図は、間違いなく日本人のアイデンティティーのひとつでした。



③ ご本尊の千手観音菩薩

三脚使用禁止なので、手持ちであれば撮影可。
何でも撮影禁止という神社仏閣ばかりの中で、とてもありがたいお寺です。

そのありがたい千手観音菩薩様をしっかり皆様に伝えたいと思います。

まずは礼堂から。


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特に眼病に霊験あらたかといわれるだけあって、眼力のパワーは半端ではありません。
今にもまばたきされるような、そんな生命感のある観音様です。


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周囲には、弘法大師も。


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これらの像を覆うのは、礼堂に続く八角円堂です。


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ついでに、境内の様子です。

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いかがでしょうか。

古刹でありながら、生き生きと躍動するカオスが感じられる濃いお寺、それが壷阪寺でした。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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