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ナンヨウツバメウオとヤシの実と柳田国男と出雲

うちのペット、ナンヨウツバメウオの「つっくん」です。(茶色のシマシマ)

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カメラを向けると嫌がって、素早く動きまわるので、ピントが合いません。

去年の夏、和歌山県南部の漁港で、枯葉に擬態して浮かんでいるところを網ですくい取りました。

下は別のナンヨウツバメウオですが、こんな具合に浮かんでいます。


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枯葉の多い海面に横になって浮かんでいれば、鳥であれ大型捕食魚であれ人間であれ、魚だと気づくことはまず不可能です
この写真はたまたま枯葉が浮いていない時なので、魚とわかります。

しかし水槽ではずっと泳ぎつづけ、つっくんはエサを指からでも食べるくらいになついています。


  ☆


ナンヨウツバメウオというのは標準和名で、学名はPlatax orbicularis。
ツバメウオの仲間は琉球列島以南で食用になることがあるものの、本土では食べる習慣がありません。
それは、本土沿岸に成魚がほぼいないからでしょう。

南の海で生まれた赤ちゃんナンヨウツバメウオは、黒潮に乗って北へ北へと流れ、稀には宮城県あたりの漁港にまで達しています。

しかし、成魚を見かけないことが示すように、最高時速7㎞近い黒潮を逆行して南国へ帰ることもできず、厳冬期には低水温で死滅するようです。
夏から秋にかけて、黒潮に乗って日本列島沿岸にやってきたものの、冬越しができない熱帯性海水魚のことを、死滅回遊魚とも言い、死滅回遊魚採集マニアさんも沢山おられます。


  ☆


♪ 名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ

という歌詞で知られるのは「日本の歌百選」にも選定された『椰子の実』(やしのみ)という歌で、島崎藤村が作詞しました。

これは1898年(明治31年)の夏、1ヶ月半ほど伊良湖岬に滞在した柳田國男が、浜に流れ着いた椰子の実の話を藤村に語り、藤村がその話を元に創作したものです。

この椰子の実の発見が、後年『海上の道』として、日本人と稲作の起源にまで踏み込んだ構想として世に出ます。

だがしかし、椰子の実は自分の意思を持たず漂流するため、最後は岩礁に砕け散ることもあります。
ところがナンヨウツバメウオ君たちは、黒潮に流されつつも、最後は要領よく静かで安全な港や潮だまりに潜り込みます。


椰子とナンヨウツバメウオが違うとしても、それが一体どうした?といわれそうですね。

南から黒潮に乗って来た人が本州に上陸しようとすれば、最初にたどり着くのが潮岬周辺です。
しかし、映画にもなったエルトゥールル号遭難事件では、潮岬東方の紀伊大島樫野埼で500名以上の犠牲者を出しました。
上陸地点を間違えれば、岩礁に激しく打ちあげられます。

長い海路で疲れた人は、なんとか接岸しようと波が穏やかで安全な海岸を必死に探すはずです。
黒潮沿いにある、波が穏やかで安全な海岸、それはナンヨウツバメウオがめざす地点と同じなのです。


  ☆


視点を変えます。
ナンヨウツバメウオが木の葉に擬態してのんびり餌を探すような場所は、南から来た新たな文化、先進的な文化、時には異様な文化や信仰を持った人々が上陸した場所なのではないか。

これが、今日の仮説です。


そしてその視点から見た時、潮岬の東側で私が最有力と思う海岸があります。
その地名の名は、驚きの「出雲」。
日本海側ではなく、黒潮洗う本州最南端の「出雲」なのです。





その海岸の名前は「出雲浦」。紫色のポイントは出雲浦バス停です。

出雲浦の港は、東へ長く突き出た「出雲崎」の半島と、紀伊大島の通夜島に遮られ、太平洋の荒波も穏やかです。


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波のない、静かな港であることが分かります。

さらにそこには、奇妙に整然と並んだ4つの小山があり、その下には朝貴神社というお社が鎮座していました。


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監視カメラだけではありません。ここは駐車禁止で立入禁止。


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この厳重な外来者排除ムードは、いったい何なのか?

よく見ると、鳥居の右には、奥へと続く峠のような切り開きが見えます。


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その向こうには何があるのか。

何か秘密が隠されているのでしょうか。


(続く)


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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