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出雲大社の神体山・それは霧の中の謎でした!

Izumo Taisha is one of the most famous shrines in Japan.
It is located in Izumo-shi, Shimane prefecture.


さて、しばらく出雲大社裏側にある原始神道系のお社を紹介してきました。

で、当の出雲大社についても、簡単に触れておきます。

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出雲大社の訪問記録や研究記録は、ブログの上だけでも実にたくさんあります。
それぞれの素晴らしい記事に匹敵するようなことを書く力量は、私にはありません。



神体山と出雲大社

ただ、神体山を多少なりとも研究してきた者の実感として、どうしても言いたいことがあります。
(神体山というのは、社殿建設前の原始神道において、神そのものあるいは神の降りくる山として神聖視されていた、主に三角形の里山のことです。)

出雲大社は、いくつもの「神体山」に囲まれているということです。


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そう言うと、多分こんな意見が返ってくると思います。

「それは知ってるよ。背後の八雲山は神体山ではないかとよく言われているね。でも三輪山と大神神社のような関係ではなくて、出雲大社には本殿が存在する。簡単に神体山と言えるかどうかは微妙だと思うよ。」

実際、出雲大社のご神職に聞いた時も、こんな風な見解でした。

でも、八雲山が神職でも登ることが許されない禁足地である以上、神体山に類する重要な聖地であることは誰しもが認める事実でしょう。



そもそも出雲大社のご神体は何なのか

出雲大社のご神体、それは七宝の筥、九穴の鮑、鏡など、さまざまな説がありますが、出雲国造にしてよくわからないというのが、大社側の公式見解です。
「御神体には御衾(みふすま)をかけ申し、それは幅余尺、長さ丈余に及ぶ錦である」ともつたえられています。

しかし少なくとも社殿建立前は、背後の八雲山がご神体であったことは間違いないと私は思っています。

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一説に、謎のご神体の正体は、かなりの大きさの岩であるとも言われます。
だとしたら、空中高くそびえていた本殿の中、神体山と並び立つ位置に辺津磐座があるという、前代未聞の構成・配置であったことになります。



本殿の東西にも神体山?

空中の磐座はともかく、実際に現地で驚くのは、他の神社では確実に「神体山」として崇拝されるような整った神奈備型の小山が、本殿の東西にあるのです

まず東側。

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次に西側。

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これらは、鶴山と亀山という、ホンワカおめでたい名前で呼ばれるため、なんとなくスルーしがちです。
しかし、それぞれの麓には、出雲国造である千家・北島両国造家の邸宅があります。

どう見ても、たまたま背後にきれいな神奈備があった、で済まされるような話ではありません。




西を向く主祭神の謎と神体山

有名な話ですが主祭神とされる「大国主命」は西を向いているとされます。
ご神体は謎ですが、御神座が西を向いているのです。

出雲大社[1]
   (出雲大社様HPより)


このことについて、出雲観光協会様のホームページには、こう書かれています。

本殿に祀られる御神体は西向きで稲佐の浜の方角を向いておられ、本殿の正面から参拝すると、神様の横顔を拝んでいる事になります。

これはもっともよく耳にする理由です。


一方、ウィキベディアにはこう書かれています。

大国主大神の御神座は本殿内北東にあり、正面である南側ではなく西側を向いている[13]。これは本殿が古代の高床式住居とほぼ同じ構造になっているため、高床式住居における入口と最上席の配置と向きの関係から、御神座は西側を向くことになるためと考えられる。

残念ながら、どちらもこれという説得力がありません。
なぜなら、主祭神に合わせて、はじめっから神社全体の向きを、西向きか東向きにすれば済むことだからです。
そもそも神社の社殿は南向きとはかぎりません。

まあこの謎については、ネット上だけでかなりの記事があり、素人の私が意見を言うような問題ではないのですが、どうしてもひっかかるのは次のことです。

ご神体を正面から拝むとすれば、当然本殿の西側からになります。

実際、出雲大社の社殿の西側には、その遥拝所もあります。

しかし、もし西側が正面であるとしたら、「本殿背後にある神奈備は社殿建立前のご神体」という原則に照らして、先ほどの東側の山が神体山だということになってしまうのです。出雲大社における第二の神体山とでも呼べばいいのでしょうか。


実は、本殿を取り巻く三つの山のさらに背後にもまた、標高の高い弥山など秀麗な山が取り囲んでいます。

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ひょっとすると、「八雲山」という表現自体、いくつもの山に囲まれて、それぞれが雲間に浮かぶ様子からつけられたものではないのか。

お寺に複数の仏像があっておかしくないように、出雲大社に降りくる神は、それぞれ別の山や磐座に依り付く多数の神々の集合体ではなかったのか、そんな気がします。ひょっとすると、「神在月」の観念は、その古い伝統を新たに引き継いでいるのかもしれません。

いずれにしろ、神体山という視点から見る出雲大社の祭祀の歴史的実像は、八雲どころか十重二十重の神秘の雲に閉ざされ、容易には近づけないものであることは確かでしょうね。


最後に、私たち夫婦が好きな、出雲大社の景色です。


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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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