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先山の岩戸神社・ここは古代ユダヤ王国の聖地なのか?

先日、洲本市安乎町の「岩戸神社」を紹介しました。

本日紹介するのは、洲本市上内膳の「岩戸神社」です。

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「驚きました。ヘブライ語の文字が記された古代日本の遺物を目にしたのは初めてです」

淡路島の岩に刻まれた、謎の文字を見てこう語ったのは、元駐日イスラエル大使のエリ・コーヘン氏だったとか。

淡路島と古代イスラエルが関係あるとする説、私はごく最近まで知りませんでした。


始めて知ったのは、鳴門タクシー株式会社様のブログにある 

「まるごと淡路島 洲本市の見どころシリーズ 4、ユダヤ遺跡」

を読んでからです。
そこにはこう書かれていました。

神話に登場する淡路島は古代ユダヤ人が渡来した地とも言われ、洲本市古茂江にあるホテル淡路夢泉景に古代ユダヤ人の遺跡がある。
昭和27年、地元の歴史研究家 白山義高氏とユダヤ教の大司教ローゼン氏、日本イスラエル協会長小林考一氏らが古茂江海岸(当時はホテル四州園)で遺跡を発掘調査。石棺の蓋にはユダヤの印。他の色々が出土。これらにはユダヤ独特の特徴がありユダヤの遺跡とわかった。
後日の発掘でダビデの紋章が付いた指輪や鹿の絵の入った指輪も見つかる。
ホテルの敷地に内の遺跡には大きな石の蓋があり中は良く見え無ない。
鳥居が建てられ石灯籠まで置かれて神社のようになっている。
このほか南あわじ市灘油谷(ゆだに)地区もユダヤが上陸し住み着いたことからきた地名とされる。


こんな説があるのかといろいろ調べてみると、結構有名な説だとわかりました。
当時は神戸新聞にも連載されたようです。

いわゆる「失われたイスラエル10支族」は葦船に乗って淡路島にたどり着き、新たに国を開いた。これが『古事記』にいう国生みではないか、と主張する方もおられるとか。

夢とロマンにあふれた説ですが、もちろんそれが歴史的事実かどうかは、厳密な歴史的考証を経なければなりません。「日ユ同祖論者によるでっちあげ、トンデモ論」と思われる方も多いと思います。

ただ私が言えることは、この淡路島には原始神道期の信仰遺跡かと思われる場所が異様に多いことです
例えば先日記事にした洲本市安乎町の「岩戸神社」。これは意外なほど多くの方に読んでいただきました。

また以前記事にした、沼島にある高さ約30mの上立神岩(かみたてがみいわ)は「天の御柱」とも言われ、江戸時代の『和漢三才図会』には「龍宮の表門」と書き記されています。


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さらに、岩上神社の神籠石


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赤い服の人物と比べていただければ、その巨大さがわかると思います。巨大メンヒルの可能性もある不思議な岩ですが、類似の岩は日本全国探してもお目にかかることはまずないでしょうね。


  ☆


さて、『記紀』によると伊弉諾尊・伊弉冊尊の二神が天上の「天浮橋(あめのうきはし)」に立って、「天沼矛(あめのぬぼこ)」をもって青海原をかき回します。

その矛を引き上げたところ、矛の先から滴り落ちた潮がオノゴロ島になりました。この有力な比定地が、先の沼島だそうです。二神はこの島に降りて夫婦の契りを結んで国産みを行います。その時いちばん初めに造られたのが淡路島なのです。

『日本書紀』の一書のみ、「大日本豊秋津島」つまり大和が先で、二番目が「淡路洲」とありますが、いずれにしろ神話上では極めて重要な位置を占めています。淡路島に対するこの異常な特別視には、我々の知らない多くの謎がいろいろと含まれているのでしょうね。



で、伊弉諾尊・伊弉冊尊の二神が最初に産んだ大地である淡路島の中でも、まっ先にできたという伝説がある山があります。「まっ先」で「先山」

「先山」は、その優美なシルエットから「淡路富士」と呼ばれ、山頂にある千光寺は、淡路山岳信仰の中心となってきた名刹です。

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狭いとはいえ、車で千光寺近くまで登ることができます。

茶店の前を通ると、すぐ階段。

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ここを上ると境内です。


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先山には、もう一つ、重要な場所があります。

それが、冒頭の「岩戸神社」なのです。(えらく遠回りしてすみません。)

石段を上らず、そのまま水平に進むと、やがて鳥居。


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その奥の急斜面に、岩戸神社が鎮座。


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岩には割れ目があり、天照大神が隠れた岩戸だという伝説があります。

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上下にもズレがありました。


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もし、先山の頂上付近の樹木が無かったら(人為的な伐採、落雷による火事、土砂崩れ等、原因はどうあろうと)、頂上直下に雄大な立石がそびえ立つ、畏怖感あふれる景色だったでしょう。


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そしてそれは、『上立神岩』と対になる、神聖な景色でもあったと思います。


  ☆


淡路市の佃遺跡では、縄文時代後期(約3,500年前)の土器・土製品・石器・骨・種子などとともに、西日本最大級の縄文土偶が出土。

また五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)や昨年発見された舟木遺跡は、国内最大級の鉄器工房跡です。

淡路島のこのような先進文化や高い生産性が、日本神話上で最も早く登場する背景にあったのでしょうね。

これらが、はたして古代ユダヤと関係があるのかどうかはわかりません。
しかし、革新的な文化を持って瀬戸内海を東進してきた人々が、リスクの高い列島本土に上陸する前に、まず淡路島に定着した可能性は十分あるでしょう。

そんな人々が崇拝したのが、美しい稜線の先山と、その頂上直下にそびえる巨石ではなかったのでしょうか。

真南の海上にそびえる海の聖地『上立神岩』とともに。


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コメント

No title

徳島にも古代ユダヤ(失われた20支族)の伝説もあります。
淡路はAWAJI、阿波路 かもしれませんね!

Re: No title

> 徳島にも古代ユダヤ(失われた20支族)の伝説もあります。
> 淡路はAWAJI、阿波路 かもしれませんね!


コメントありがとうございました。
淡路は阿波への路という説が有力のようですね(^^♪

「白人神社のユダヤ遺跡説(2017/10/10)」で、剣山のソロモン王伝説を少し取り上げました。阿波の国は他の地域にはない不思議な遺跡がたくさんありますね。徳島出身の友人知人も多いのですが、なぜかみんな神社や古代史に興味のない人ばかりなんです。ナマの地元情報が得にくいので、またいろいろ教えていただければ幸いです。

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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