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岩角寺・金色に輝く不思議な「金華水」と原始信仰

「西か東か 先づ早苗にも 風の音」
これは、福島県本宮市の岩角寺で芭蕉が詠んだ句です。

お寺の正式名は「和田山常光院岩角寺(わでんさんじょうこういんがんかくじ)」。

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標高337メートル、阿武隈山地の中部に位置し、全山が名勝天然記念物の岩角山にあります。天台宗の三世・慈覚大師(じかくだいし)によって開かれたといわれ、天台密教の道場として栄えました。

下の写真は、開山にかかわる岩窟弁天

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慈覚大師が当山開基の際、この岩窟の中に一本の石角が突出していたことから岩角山の名が生まれたと伝えられています。
この不思議な岩組みの中から、岩角寺の信仰が始まったわけです。
その石角の長さは75㎝、太さは15㎝で、現在は寺宝として保存されているそうです。なんだか重大な秘密がありそうな謎の岩ですね。


ところでこの境内には、石角だけでなく不思議な形の岩がたくさんあります。主なものをご覧ください。

まずは震災にも落ちなかった岩です。

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頂上部にある岩は、人工的に寄せ集めて、壇を作っているように見えます。

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お寺の開基以前は、地元の原始的な巨石信仰あるいは磐座信仰があったのでしょう。

ところで、下の泉には、黄金の花と呼ばれる「金華水」が現れるのだとか。

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こんな看板がありました。

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見る角度によっては光沢を放ち、角度を変えてしまえばまったく見えなくなるという、不思議な現象なんだそうです。
岩場に張り付いた金色のコケのようにも見え、まるで金ぱくを施したような金華水ですが、実は正体不明。

三十七世住職の佐藤俊順さんが以前、保健所に問い合わせたのですが、結局わからなかったというのですから、まさにミステリアス。

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入梅時期からお盆にかけ、水面に金粉を撒いたような現象が不定期に現れ、既に江戸時代にはその名が付けられていました。震災以降、平成27年と平成28年にもこの現象が見られたそうです。



ここで思い出すのは、昨年末に書いた、
「金色に輝く志染の窟屋・雄略天皇の迫害と悲劇 2017/12/12」の記事です。

兵庫県三木市志染町窟屋の山中にある『志染の窟屋』は、条件が良ければ「光り藻現象」で黄金色に光り、なんとも不思議な神秘のムードをかもし出したと言います。

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「ひかり藻」は淡水産の単細胞藻類で、体長は3~6ミクロン。日の当たりにくい山中の池や洞窟内の水たまりなどに発生します。
大量発生して水面に浮き上がると、葉緑体やカロチノイドという成分が日光に反射して水面を黄色にするのが金水の仕組だそうです。

この『志染の窟屋』には、父の押磐皇子を惨殺された億計・弘計兄弟の悲劇の伝説が語られます。
兄弟は難が及ぶのを恐れ、日下部連使主とともに丹波国を経て播磨国赤石に逃れ、この石室に、身を隠したそうです。そして名を隠して縮見屯倉首に、身分の低い召使として仕えました。

これに対して、岩角寺の「金華水」は、大震災という悲劇から立ち直る希望が感じられます。

はたして、西と東の、この二つの「金色」現象は同じものなのでしょうか。いずれにしろ、奇瑞であることにちがいはありません。

この岩角寺は、日本のもっとも古い自然信仰を土台にして仏教を発展させた、まさに稀有の古刹でした。



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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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