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すさみ町の稲積島・そもそも「稲積」とは何か?

和歌山県すさみ町、JR周参見駅の西側には、周参見湾の出口をふさぐような位置に、稲積(いなづみ)島が浮かんでいます。周囲が1kmほどの無人島で、古くから神様の島として信仰されてきました。

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よく見ると、島の前に鳥居が立っています。

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逆に島から陸地を見ると。

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稲積島は、神武東征の折、食糧の稲をこの島に積み上げたことからその名が付けられたという伝説が残っています。また、「稲積さんの石や草木などを持ち帰ると災いがふりかかる」という島を守るための戒めが言い伝えられています。


さて、そもそも「稲積」とは何でしょうか。

世界大百科事典 第2版の解説には、こう書かれています。

にお【稲積】

刈った稲を円錐形に積み上げたものをいう。ニオは新嘗(にひなめ)のニヒ,ニフのほか,ニエすなわち贄の語とも関連するらしい。神霊に捧げる供物という意味である。刈ったばかりの稲穂のついたままの束を積み上げた場所は,そのまま田の神をまつる祭場と考えられていたという説もある。


つまり「稲積島」とは、もともと祭祀にかかわる名前のようなのです。神武天皇用の稲をこの島に積み上げたからという、ローカル伝説がたまたまあったから、という単純なものではないことが分かります。

岡山県の笠岡諸島に「高島」があり、神武天皇が住んでいたと言う伝説があります。
『日本書紀』や『古事記』では、神武天皇は東征途中に吉備国に「高島宮」という行宮をつくり、そこに3年又は8年のあいだ暮らしたとされるのですが、この高島の属島に「稲積島」があるのです。この島は、神武天皇が出発に備えて稲を積んで蓄えていたことから、その島名がついたといわれます。
ここにも神武伝説と「稲積島」がありました。

一方、「稲積山」という地名も各地にあります。だいたい三角形の美しい山容で、神社や信仰や伝説があるようです。

例えば「宇佐八幡弥勒寺建立縁起」によると、大御神は欽明天皇の御世、宇佐郡辛国宇豆高嶋に天降り、続いて大和国膽吹嶺・紀伊国名草海島・吉備宮神島に移り、そこから豊前国宇佐郡馬城嶺(御許山)に始めて顕現されと伝えます。この「宇佐郡辛国宇豆高島」とは稲積山であり、原始的なヤハタの神がここに降臨したとも言われています。

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「稲積」という地名は、なかなか謎めいていますね。

謎めいていると言えば、すさみ町の稲積島の水際には、妙なものがあります、
堤防を伝って近づいてみましょう。

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普通に、荒々しい岩があります。

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で、その中に、手のひらのような、不思議な量感の巨岩があります。その上に布を半分かけたような・・・?

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奈良の大仏の掌くらいありそうです。

実は、海中の鳥居の横に、おそらくは人工的に穴を開けた岩が置かれていました。

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鳥居の奥には、積み重ねた磐座もあります。一部の岩に人工的な細工が施されていることは、まず間違いありません。

手のひらのような岩も、何か意味があって整形された巨石遺構なのでしょうか?


  ☆


さて、古代から現代まで続く神様の中でも、特筆すべきは龍神です。全国津々浦々、龍神を祀る場所は数えきれません。その龍神様のお子様かと思われる方に、港でお会いしました。


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岩壁を覗きこんでいると・・・・

斎戒沐浴、謹んでご拝謁ください。

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畏れ多くも、タツノオトシゴ(竜の落とし子)さんです。

周参見港の岸壁には、熱帯性のチョウチョウオやツノダシなど、さまざまな生物が泳いでいるのを見ることができます。
このタツノオトシゴさんは、色が地味なので温帯性なのかとも思いますが、ペアで仲良く泳いでおられました。

お断りしておきますが、タツノオトシゴは、トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属 Hippocampus に分類されるれっきとした魚です。ぽっちゃりしたお腹の中は、オスが育児嚢で卵を保護する繁殖形態なのです。

繁殖期は春から秋にかけてで、メスは輸卵管をオスの育児嚢に差しこみ、育児嚢の中に産卵して育児嚢内で受精します。産卵するのはメスでも、妊娠と出産はオスというわけですね。

龍神様のご子息は、時代の先を行く究極のイクメンでした。
もちろんこの後、海に戻してあげましたよ。

海水魚ショップに売り飛ばさず、海に戻したのですから、お礼に竜宮城へ連れて行ってもらえるのではと内心期待しているのですが・・・・


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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