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巨大な蛇穴と椀貨し伝説

昨日の記事、戸隠神社の近くには、蛇穴と呼ばれる鍾乳洞があります。この洞窟からは、こんこんと泉が湧いて流れ出していました。

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その昔、ここに乙姫様が住み、お椀や祭りの鼓などを貸してくれていましたが、あるとき村人がそれを返さなかったため、姫は怒って大蛇となり、天に昇ったという伝説があります。
椀貸し伝説や水神・龍神伝説など、複数の要素がまじりあっているのでしょうね。
この清水は銘酒「福和良泉」を醸す水や、天然わさびを育む水として利用されています。


椀貸伝説については、ウィキペディアにこう書かれています。

椀貸伝説は奥羽から九州まで日本の広い範囲に伝搬しているが、特に中部地方や北関東の山沿いなどに多く伝わっている。概ね上記の例と同じ筋書きだが小異は多く、貸してくれる相手は童子や河童、龍、お地蔵様や例のように正体不明であったり様々である。貸してくれる場所は淵や滝、岩や山陰の洞穴、隠れ里に直接取りに行く場合もあり、やはり様々である。比較すると水に因む場所が多く、水神少童譚や水神信仰との関連が考えられる伝説も多い。物語には既に膳椀を貸してもらえる関係ができている場合や、椀が川の上流から流れてくるなどして異界や隠れ里を発見する場合もある。

この伝説には、不心得者が返さなかったとされる椀や、反故にした証文などが残っている家や地域がある。それらの品々の中には木地師との関係を伺わせるものがあり、木地師との交易の際に聞いた口上が伝説になったという見方がある[2]。また、膳椀を村の共有財産としている地域では、借りたものを盗むな、壊すなという戒めを含んだ説話であるという見方もある。

1917年(大正6年)に人類学者の鳥居龍蔵が『人類学雑誌』において、椀貸伝説を当事者が接触せず言葉を交わさずに交易を行う「沈黙交易(Silent tradeの訳語」であると指摘した。これに対して1918年(大正7年)には柳田国男が『東京日日新聞』に「隠れ里」を発表し、椀貸伝説は貸借関係に過ぎず、さらに相手は神であることから信仰現象であるとし、竜宮伝説や隠れ里伝説など「異郷観念」の表現形態であると論じた。


「水神信仰との関連が考えられる」とありますが、蛇穴はまさにその典型でしょうね。しかし乙姫さんといえば、浦島太郎伝説の準主役。浦島太郎の話は丹後半島に伝わる伝説がベースとなっているようですが,神奈川県横浜市や長野県上松市など、全国40か所くらいに浦島太郎の話が伝わっています。竜宮城が海辺とは限りません。
蛇穴も「蛇≒龍」ですから、この洞窟の奥に竜宮があると信じられていても不思議はないのです。

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戸隠神社裏の神体山にしても、神社の正面から見ると三角形であることがそれほど目立たず、蛇穴あたりから見たときにきれいな三角形になります。本来、神体山の正面はこちらかもしれません。

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こう書くと、
「竜宮は海か川にあるのだから、神体山とは関係ないだろう」
と思われた方もいらしゃると思います。

ところが、そう簡単に判断できない事実があります。
浦島伝説の本家、京都府与謝郡伊根町本庄浜の浦嶋神社には、不思議な事実があります。神社から出ようと思って、鳥居をくぐるときに上を見ると、きれいな三角形の、いかにも神体山風の山があるのです。

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ふつうは鳥居の内側、本殿の奥に神体山が位置するのですが、ここはまったく反対です。おそらくこのことを気にする人もないと思います。しかし、なかなか見事な形で、神社の信仰と全く関係がないとは思えません。
おそらくは、浦島伝説や竜宮城伝説には、まだ知られていない重層的な要素があるように思います。



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コメント

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Re: No title

伊那谷、いいですね。中央アルプスと南アルプスの清浄な気に満ちている感じがしています。
去年は、諏訪から杖突峠を越え、守屋神社などに寄り道しながら伊那に出ました。昔行った駒ヶ岳くらいしか記事にしていませんが、駒ケ根市の筥石神社なども近いうちに載せたいと思います。

それにしても日本の神様は「八百万」ですから、どこかの星から来た神様もまじっているかもしれないですね!(^^)!

また伊那谷のおもしろい情報がありましたら、いつでもご教示ください。今後ともよろしくお願いいたします。

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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