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矢野磐座神社と座光石・これこそ古代信仰の見事な典型

日本の古代信仰とはどういうものだったのか、その答えのひとつを見事に見せてくれるのが、兵庫県相生市矢野町森の「磐座神社」です。

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巨大な三角形の露岩は、松尾大社と同じパターンです。「聖なる三角形」ですね。
もし私が大学で民俗学系のゼミを担当していたなら、学生をここに連れてきて、自ら発見し、探検し、古老への聞き取り調査を行う、そんなフィールドワークをさせるでしょう。それほど典型的な神体山信仰と巨石磐座信仰の場です。

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社殿の横には、巨大な座光石。

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『相生の伝説と昔話』様のブログには、こんな伝承が記されていました。

矢野(やの)町森には、磐座(いわくら)神社があります。磐座の磐(いわ)は、大きな石という意味です。磐座の座は「います」と呼んで、「いる」の敬語です。磐座神社は、神が宿る大きな石がある神社ということになります。
矢野庄(しょう)森村には、矢野神山(かみやま)という山がありました。今の磐座神社の裏山にあたります。神山の頂上には、大きな石がありました。その石の上に、天から神が降りてきました。その時、大きな石の一つが転がり落ちたといいます。この石が現在の磐座神社の座光石(ざこうせき)といわれています。
 (中略)
権現山から少し降った所に竜王山があります。そこを奥の院といい、大岩窟(がんくつ)には阿弥陀仏(あみだぶつ)や龍王社(水の神)が安置されています。


神社名が「磐座神社」で、背後の山が「(矢野)神山」という名称。まさにそのまんまです。
そして頂上の巨石に神が降りてきたというのですから、古代信仰や民俗信仰の教科書的、お手本的な神社だと言えます。付近の住民は、「朝な夕なに、神が降りたという天狗岩を拝んでいた」ということです。

また、『兵庫県神社誌』によると、
「古書には”石蔵明神”、近世には”岩倉権現”といい、1000年以前に創立されました。社側に大岩があり、これを座光石または降座石といいます。はじめ、神はこの石の上に鎮座していましたが、後に現在地に遷座しました」
とあるそうです。


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神仏習合の時期があった事や、頂上の天狗岩からさらに座光石に降りてきた神が、近世は社殿に移ったという変遷もよくわかります。
さらに、このお社は「式内社」ではありません。「式内社」なら古くからの由緒と伝統がある神社と思われがちですが、このお社が抜けているようでは、「式内社」のお墨付きも大したことないかもしれませんね。

それにしても、わかりやすい神社とはいえ、まだまだ謎の部分もあります。

まず、
主祭神 磐座神  イハクラノカミ
配祀神 倉稲魂命 秦河勝 伊弉冊命 事解男神 速玉男神 大国主命

という祭神。「秦河勝」が混じっているのは、何とも唐突です。

次に、「奥の院の大岩窟」とは、どんなところなのでしょうか。そそられますね!(^^)!



ここには、柿本人麻呂が 
「つまごもる 矢野の神山 露霜に 匂ひそめたり 散りまく惜しも」
と詠んだという伝承があり、近年は紅葉の美しい神社として知られています。新緑も色鮮やかでしたが、たしかに秋も素晴らしいでしょうね。


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コメント

素晴らしい石神

いつもながら見事な神様石を見せて下さりありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

Re: 素晴らしい石神

> いつもながら見事な神様石を見せて下さりありがとうございます。
> これからもどうぞよろしくお願いいたします。

いつもありがとうございます。
十年前までは、磐座や石神を紹介するブログも多かったのですが、なぜか更新が途絶えたりなくなったりするブログが続出しました。注目する人も減ったと思います。今では珍しくなった磐座系ブログとして、これからもがんばりますので、こちらこそよろしくお願いいたします。

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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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