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熊野本宮と大斎原と小栗判官

昨日は、小栗判官が湯の峰温泉にたどり着いてよみがえった事を記事にしました。熊野信仰という割には、あまり熊野三山が出てこないなあと思われた方もおられるでしょうね。ただの湯治、温泉の効用の宣伝にしかならないのではないかと。


湯の峰温泉と熊野本宮

実は、湯の峰温泉と熊野本宮は深い関係があります。
熊野本宮のホームページには、4月13日に行われる「湯登神事・宮渡神事」について、

「日本最古といわれる湯峰温泉で身を清めた稚児の頭に、神を降ろす神事です。」

と書かれています。子どもの額に「大」の字が書かれている写真が載っていますが、これは神が降臨している証だそうです。
さらに祭典の間、稚児は神事以外で地面に足をついてはいけないという決まりがあるため、

ウマ役の父兄が稚児を肩車し、「熊野古道 大日越え」という約3.4㎞の険しい山道を歩き本宮大社へと向かいます。

というなかなか大変な行事です。

稚児を務めた子どもは健全に育つとされ、祭典がすべて終わった後も3年の間、叱る時には頭に触れてはいけないといわれています。すごいルールですね。


熊野はよみがえりの聖地

さらにホームページには、こうも書かれています。

熊野の神々は自然信仰に根ざしていましたが、奈良~平安時代にかけて熊野は仏教・密教・修験道の聖地ともなり、神=仏であるという考え方が広まりました。
その影響を受けた三山は結びつきを深め、同じ12柱の神々(=仏たち)をおまつりするようになります。熊野三山の神秘性はますます高まり、平安時代の末には「浄土への入り口」として多くの皇族や貴族がお参りするようになりました。浄土へお参りし、帰ってくるということは、死と再生を意味します。そのため熊野三山は「よみがえりの聖地」として、今なお多くの人々の信仰を集めています。


これでわかりました。
熊野は「死と再生」「よみがえりの聖地」であり、その神事は湯の峰温泉とも深く結びついていることが前提で、小栗判官の物語が成り立っていることが明白になります。


大斎原

さて、熊野本宮の神が降臨したのは、三本の川の中州にあたる聖地、大斎原でした。飛鳥時代(615年)には、大斎原に社殿が建てられています。

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堤防があり、川に面していることが分かります。゜

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しかし明治22年の大洪水により、大斎原は大きな被害を受けました。当時は能舞台などもあり、今の8倍の規模を誇っていましたが、明治24年に上四社が現在地へ移されました。
神が舞い降りたという大斎原、近年はパワースポットとして多くの人が訪れているそうです。

巨大な大鳥居は、高さ約34m、幅約42m。下を歩く人と比べると、実に巨大です。

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上は、「鳥居の上の三角」というか半円というか、なんとも不思議な光景です。この山と隠れたつながりがありそうですね。

鳥居の近くから写したらこうなります。

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鳥居を入ると、現在は広場のような感じです。

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しかし江戸時代まで中洲への橋がかけられる事はなく、参拝に訪れた人々は歩いて川を渡り、着物の裾を濡らしてから詣でるのがしきたりでした。
音無川の冷たい水で最後の水垢離を行って身を清め、神域に訪れたのです。



世界遺産 熊野本宮館

本宮と大斎原の間に、「世界遺産 熊野本宮館」という新しい建物があります。ここには、熊野信仰に関する様々な展示物があります。

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3本足のカラス。日本サッカー協会のシンボルとしても有名な、八咫烏(やたがらす)です。八咫烏は、日本書紀・古事記の「神武東征」に登場します。

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木をぜいたくに使ったトイレには驚きました。

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修験の装束です。小栗判官も、最後はこのような人たちに背負われたといいます。

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「世界遺産 熊野本宮館」付近から見る、大鳥居です。

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というわけで、昨日の続編をお送りしました。

ここは、なんだか穏やかで落ち着いた聖地ですが、新宮から本宮へむかう道筋には、こんな荒々しく神秘的なお社もありました。

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熊野信仰は、やはりいろいろな要素を飲み込んでおり、かなり重層的です。



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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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