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継体天皇と原始信仰の謎④・継体は卑弥呼ラインと神体山を意識したのか?

前回最後に、大阪北部を代表する重要な古墳である、継体天皇陵古墳(太田茶臼山古墳)・今城塚古墳・安満宮山古墳が一直線上にあると書きました。その位置関係が下です。(この順で西から東へ並ぶ。)





継体天皇陵古墳(太田茶臼山古墳)と今城塚古墳の巨大さと埴輪群のすごさについては、前回の記事を想い出していただければわかると思います。

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ところが、今城塚古墳の出土物を見に行った今城塚古代歴史館に、「三島最古の古墳」というコーナーがあり、安満宮山古墳の展示がありました。それを見ていると、ガイドのKさんが、わざわざ手持ちの発掘写真を見せてくださいました。木棺に施された水銀朱の鮮やかさが見事で、銅鏡やガラス玉などの副葬品は見事なものでした。Kさんの親切な説明を聞くうち、確かにこの古墳は卑弥呼と何らかの関係があるのは確かだと思うようになりました。

そして、この時いただいたパンフが下です。

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平成9年(1997)、この古墳を発掘調査したところ、青銅鏡5面をはじめ、1600個以上のガラス小玉、刀や斧などの鉄製品が発見されました。その中でも注目されるのが、古代中国の大国、魏国の年号「青龍三年(235)」の銘が入った方格規矩四神鏡(ほうかくきくししんきょう)です。日本出土の銅鏡では、最古の年号の入った鏡です。
さらに興味深いのは、それが日本ではじめて三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)などと一緒に出土したことです。

「魏志倭人伝」(『三国志』魏書東夷伝倭人条)には、景初3年(239)6月、倭国の外交使節団が邪馬台国を出発し、12月に魏の都・洛陽に到着。魏は倭国女王・卑弥呼(ヒミコ)に対し「親魏倭王」の金印とともに「銅鏡百枚」などを与えたと記されています。安満宮山古墳の鏡はその一部を含むと考えられ、「銅鏡百枚」の実態に迫る画期的な発見となりました。

安満宮山古墳に眠る人物は、安満遺跡を拠点とするこの地の王であったのでしょう。淀川水運を掌握し、女王・卑弥呼の政権を支える一人として活躍し、これらの貴重な鏡を女王・卑弥呼から直接、授けられたのでしょう。

だいたい上のようなことが記されています。
もちろん、邪馬台国に関してはいろいろな説があり、「女王・卑弥呼から直接、授けられたのでしょう」という記述にはツッコミを入れたい人がたくさんおられるに違いありません。しかし、卑弥呼の支持勢力であれ敵対勢力であれ、淀川から琵琶湖、さらに当時は「表日本」であった日本海へと続くルートを配下に置く、卑弥呼と関係の深い重要な人物であることは間違いないでしょうね。

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で、そんな安満宮山古墳を地図で見ているうちに、継体天皇陵古墳と今城塚古墳の延長線上に位置する事実に気づいたわけです。

年代的には、古い順に、安満宮山古墳・継体天皇陵古墳・今城塚古墳となります。ということは、いちばん新しい今城塚古墳の位置を、安満宮山古墳と継体天皇陵古墳を結ぶ直線上にもってきたのだと考えるのが自然です。

ところで、真の継体天皇陵は今城塚古墳と言われますから、2つの古墳の線上に自分の古墳の位置を決めたのは継体天皇自身でしょう。しかしそれだけではありませんでした。

下の地図を見てください。拡大していただくとよくわかります。



左の継体天皇陵古墳は、茨木の神体山ともいえる竜王山頂を向いています。竜王山には、さまざまな磐座や岩屋があり、古代からの信仰がうかがえる山です。

例えば下。

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地図右側の今城塚古墳の中心線が示すのは、継体が皇居を置いた山背の筒城宮(つつきのみや)伝承地付近です。仁徳天皇の皇后・磐之媛の故郷とも伝えられている場所で、現在は同志社大学構内の不動尊遺址碑の脇に記念碑があります。
このラインの途中には、「甘南備山」と「甘南備神社」があり、名前が示すように「神が鎮座する山」として、古くから信仰の対象となっていました。

茨木市の継体天皇陵古墳の主は、継体天皇の祖父や曽祖父などの近親者でしょうが、継体本人の今城塚古墳ともども、ゆかりのあったであろう神体山を向いています。おそらくこれは、近江や福井に色濃い神体山や磐座に対する信仰を受けついだものではないでしょうか。

特に継体天皇本人は、筒城宮と甘南備山を通る線と、安満宮山古墳と継体天皇陵古墳を結ぶ線の交点をわざわざ選びました。
もし安満宮山古墳の主が卑弥呼を支えた人物なら、継体自身も卑弥呼の伝承を意識した天皇だったと思います。大和でも河内でもない、淀川・琵琶湖・北陸ルートの王が、卑弥呼にとっても大和政権にとっても必要とされる東アジア情勢が、時代は違えど等しく存在したのではないのか・・・・。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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