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解かれざる謎・笠置山~山添村の線上に並ぶ巨石信仰



さて、昨日は奈良県山添村の桝形岩について紹介しました。この岩だけでも、日本有数の不思議な巨石信仰なのですが、そのレベルの巨石が、このあたりにはまだいくつもあります。
しかもそれらが、一直線上に並んでいるのですから不思議です。

まず地図上で一番上は、京都府笠置町の笠置山巨石群です。
1331年に鎌倉幕府の倒幕計画が発覚した後醍醐天皇は三種の神器を保持してここで挙兵、篭城して元弘の乱の発端となりました。 巨石の前から有樋式石剣が発見されたように、弥生時代から信仰の対象とされてきました。

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ひとつ飛ばして三番目は、奈良市柳生町の岩戸谷にある神社で、『延喜式神名帳』に「天乃石立神社」と記載される古社です。戸岩山の山中にあり、本殿がなく巨岩を直接拝する原始神道そのままのお社です。

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すぐそばには、一刀石があります。柳生石舟斎が、ある夜一刀のもとに天狗を切ったはずが、実はこの岩であったと伝え、現に岩面に天狗の足跡が残るといいます。ここで修行した柳生石舟斎は、柳生新陰流の始祖となりました。

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四番目は、昨日紹介した枡形岩です。

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最後は、奈良県山添村の鍋倉渓です。谷一面に黒い巨石が埋めつくす光景は圧巻です。

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この谷がある神野山の巨石は星座(天の川・夏の大三角形)を地上に映したものではないかと考えられ、この鍋倉渓は「天の川」を表していると考えられているとか。他には天狗岩(わし座のアルタイル)、八畳岩(琴座のベガ)、王塚(白鳥座のデネブ)、 北斗岩(北極星)、竜王岩(アンタレス)があるとされ、古代の謎とロマンがあふれる場所です。


なお二番目は、阿対の石仏がある岸壁で、その他にも中規模の岩はいくつかあります。右下にさらにラインを延ばすと永仁磨崖仏、左上に延ばすと、かなりの距離はあるものの伏見稲荷の稲荷山付近に達します。

とりあえず笠置山から鍋倉渓までだけ見ても、日本を代表する規模の巨石信仰がいくつも線上に並ぶのですから、普通では考えられません。むろん和歌山県串本町の橋杭岩のように、地質学的に説明が可能な巨石列というのはあります。当然同質で似たような形状の岩々が並びます。しかし、それぞれ岩質も形状も全く違う笠置~山添の巨石たちに、地質学的な生成原因を見出すのは困難でしょう。

もちろんこれらが単なる偶然と考えるならば、それまでの話です。しかし私は、すべてが全くの偶然だとは思えません。たまたまいくつかの巨石が線上に並ぶことを知った古代人が、そこに宗教的、信仰的意義を見出し、さらにそれを強化するためにひとつまたは複数の巨石を建てた・・・・そんな気がします。笠置山には弥生時代から信仰があったようですから、このラインも弥生またはそれ以前の巨石文化なのかもしれません。

この事実は、すでに昭和50年代にはささやかれていましたが、結局誰も深く研究した人はないようです。


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sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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