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何とも奇妙な「ヒトガタ岩」とケルト文化

その成因はともかく、人間や動物などの顔に見えなくもない「人面岩」「顔面岩」というのはけっこう存在します。


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これは、金生山明星輪寺です。


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下を向いた顔にも見えますよね(@_@)

いっぽうこちらは、高尾神護寺の虚空蔵菩薩像。


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明星輪寺も虚空蔵菩薩を祀ります。ひょっとしたら、宝冠を着した虚空蔵菩薩が下界の衆生を向いているお姿が、この明星輪寺の核心部分ではないかと思うのですが、明星輪寺のホームページにもその他の参拝記にも、そのような記載はありません。

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さて、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮とされる大津市の日吉大社には、ホームページにも「猿の霊石」として記載される、通称 猿岩が鎮座。


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これはさしずめ猿岩石。♪~風に吹かれて消えていくのさ  白い雲のように・・・そういえば、有吉さんに似ているかも(^^)/
相方の森脇さんは、どうしてるのかな?

いやそんなことどうでもいいのですが、胴体部分のある顔面岩もよくあります。
例えば、大津市の日吉大社から分霊された、福島県郡山市西田町に鎮座する日枝神社(ひえじんじゃ)の社殿前には、猿なのかどうかも不明な、不思議な岩。


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榛名神社の御姿岩も有名です。


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よく見ると、瞳までありますから、部分的には人工的なご神体だと思います。


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さてこの本は、国立歴史民俗博物館教授の松木武彦氏による壮大な歴史書です。

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何が壮大かというと、ブリテン島(イギリス)及び日本列島という島国は、ローマ帝国や中華帝国などのユーラシア大陸から海を隔てた位置にあります。そしてそれぞれのケルト文化(あるいは原ケルト)と縄文文化の「非文明型」文化が極めて似ているという論考なのです。弥生文化においても、ヨーロッパ屈指の規模であるイングランド南部のメイドゥン・キャッスル遺跡(Maiden Castle)が
「見た目も性質も、ユーラシア大陸を挟んで反対側の日本列島でちょうど同じころに栄えた吉野ケ里遺跡とそっくりである」(同書P.205)
と書いておられます。

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(Wikipedia)


イギリスに住み、休日はレンタカーでしょっちゅう遺跡調査をされていた松木武彦氏ならではの指摘は、かなり説得力があります。

多くの歴史学者が「木を見て森を見ない」研究者とすれば、松木武彦氏は「木を見て森も見る」というタイプの研究者なのでしょう。かつて梅棹忠夫氏の『文明の生態史観』を読んだ時の「目からうろこ感」がよみがえる名著でした。

さて、この本のP.112 には、ストーンズ・オヴ・ステネスといストーンサークルの写真があるのですが、
「先端が斜めにカットされているので、独特の威容を見せる」
という記述があります。
そういえば、以前記事にした高越山の立石もまた、先端が斜めですよね(@_@。


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まあこれは偶然かもしれませんが、いちばん興味深かったのは、P.120に書かれた、タルサハン立石群の記述です。

「これらも先端が頭のように飛び出した形の石で、三つの人影が海面をにらんでいるように見える。
おそらくメキシコ湾流に乗って北上してきた航海者は、この瀬戸で立石に迎えられ、そこから静かになった海面をさらに進むと、前方の海岸の上に次々に現れるカラニシュの四つのサークルに導かれるように湾奥に達しただろう。大西洋の往来に関して、これらの巨石記念物の樹立場所が定まった可能性が高い。」


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つまり松木武彦氏は、人類に備わった普遍的な認知機能に関わるものとして、人影に見える立石に積極的な意味を読み取っておられるのです。

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「人影」にも見える、この岩をご覧ください。


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これは、兵庫県南あわじ市のおじんば磯に立つ岩神(登立明神)です。

基部には穴も。


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この岩には、船でやってきた人に対する、お迎えの意味があるのでしょうか。あるいは、付近の港を示したり、河川遡上を促すシグナルなのかもしれません。

ではこの付近の内陸部に、特別な場所があるのでしょうか?

ここから東へ約二キロメートルで、大日川の河口が位置します。この川の上流、三原川には朱色の欄干の「おのころ橋」が架かり、国生み神話のおのころ島神社(自凝島神社)が鎮座しています。


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これは、鶺鴒(せきれい)石。


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この石の上で鶺鴒が夫婦の契りを交わしている姿を見たイザナギ神とイザナミ神は、これによって夫婦の道を開き、天照大神をはじめとする御子神を生んだとされます。

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ヒトガタ岩としての岩神(登立明神)と、日本という国の発祥伝説があるおのころ島神社に、はたして関係があるのかどうかは不明です。妄想が過ぎるかもしれません。
ただ、日本の巨石磐座文化を、単に「神の依り代」と理解するなど、国内要因だけで解釈するのではなく、ケルトあるいは原ケルト文化との比較検討もまた、必要な作業であるように思います。

最後に、松木武彦氏のこの言葉を・・・

大陸の辺境に浮かぶ島々に国を作った外からの力を、英国史では「ケルト」というグローバルな動きの一翼としてとらえ、日本史ではあくまでも島民としての立場から見た「渡来人」の受け入れとして理解してきた。・・・いうなれば、同じ動きを、英国史ではヨーロッパ史の一部とみているのに対し、日本史ではどこまでも日本史としてにらんでいるのである。


多様性を排除する、「単一民族・単一文化」という言葉の閉鎖性は、ここらからきているのかもしれません。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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