fc2ブログ

記事一覧

蜂須神社の聖なる岩壁

清頭岡磐座の北東方向約1km、徳島県美馬郡つるぎ町貞光字宮平に鎮座するのが、蜂須(はちす)神社です。


11_2023092013153618b.jpg

12_convert_20230920125623.jpg

13_20230920131557f6b.jpg


祭神は八千矛命。大国主ですね。
すぐ横が貞光川。


31_convert_20230920130423.jpg

32_20230920131628bc1.jpg

33_2023092013162613b.jpg


社殿の横は、大岩壁です。


21_convert_20230920125725.jpg

22_convert_20230920125920.jpg

23_convert_20230920130015.jpg

24_convert_20230920130153.jpg

27_20230920131615099.jpg

29_20230920131623908.jpg

28_20230920131619298.jpg


車道ができるまでは、貞光川の岸辺に、大岩壁を背後として祀られていたのでしょう。
そして誰もが予想する通り、幾度もの洪水でお社は流され、記録類はないそうです。創建も不明。

  ★

社殿の背後や横が岩壁というお社もたくさんあります。


41_20230920131625df5.jpg

42_20230920131627eb4.jpg

43_202309201316253b4.jpg

44_convert_20230920131041.jpg


その中でも共通点があるのは、島根県雲南市掛合町入間の八重山神社


51_202309201316266ac.jpg

52_20230920131828815.jpg


この岩壁には、不思議な特性があります。遠い下界の音などが響くのです。
ここでは、中腹までかなり石段を登るにもかかわらず、谷川のせせらぎなどが岩壁の上から降って来て、体を包みます。


54_20230920131832b0c.jpg


集音器の役割をする岩壁に、音が反射しているのでしょう。

この種の不思議さで有名なのは、三重県志摩市磯部町の鸚鵡岩(おうむいわ)です。
幅127m、高さ31mの岩壁に音が反射し、「語り場」で声を発したり、備え付けの拍子木を打つと、約50m離れた「聞き場」にいる人には、あたかも岩から音が発されているように聞こえるのです。


61_202309201318343ef.jpg

62_20230920131833201.jpg


「ヤッホー」などの声が、時間差で帰ってくることについては、妖怪的な「山彦(やまびこ)」や「木霊(こだま)」の仕業と昔は考えられていました。音の特性を知らない昔の人にとっては、当然かもしれません。

蜂須神社で試してはいないのですが、おそらくこの岩壁にもまた、見た目の偉観以上に、不思議な現象があると思います。


121_20230921091538f79.jpg


四苦八苦のネタ探し、三つクリックしていただくと励みになりますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~
にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村

神社・仏閣ランキング

コメント

またまた凄いもの・・・・

いつも楽しい記事をありがとうございます。更新を心待ちにしています。
このたびも、またまた凄いものを出してきて下さり、吃驚です。徳島県民でも、この不思議な光景を知っている人は殆んどいないと思います。広く御紹介下さり、ありがとうございます。

貞光川は旧くは木綿麻川です。木綿麻と書いてゆうまと読みます。木綿や麻は、殖産興業と新技術の普及のため各地に出張った忌部一族の象徴ですね。ちなみに、近くに日帰り入浴だけ?の剣山ゆうま温泉があります。

蜂須神社は、延喜式内社の八十子(やそこ)神社に比定されているらしいです。やそこが言いにくいので、はちそこ→はちすになったとも。

木綿麻川流域は忌部氏の本拠で、ここから東を見上げれば神奈備形の友内山(ともおっつぁん)です。忌部の神聖な場所といわれています。本来は木綿麻山とか高千穂山と呼ばれていたのを、蜂須賀が阿波を支配するようになって改名させたという話があります。辺鄙な山奥に立派な友内神社が鎮座しています。で、この神社の傍の小川を数十m下るとけっこうな崖になって、チブシャン滝です。チブシャンは乳房が語源だとか。チブシャン滝の滝壺のあたりは列石があり、ここは古代人が祈りを捧げた場所という説もありますが、本当かどうか。ただ、見た目は良くないです。太い黒ビニルの管が沢山あって、下流の集落の水源になっています。

で、知られていないのが、この小川を大岩ゴロゴロの縁に沿って数十m遡上すると、規模の小さい白糸の滝みたいな岸壁にぶち当たります。カップ大関が御神酒?として転がってたりするので、山の人が祈りを捧げているのかもしれません。

チブシャン滝も上流の名のない滝も、訪れるなら早春か冬をお勧めします。まず泥濘(ぬかるみ)で足がとられます。寒くなければ湿地でマムシが怖い。秋はスズメバチが怖いのが理由です。

お奨めは、蜂須からは北になる立石山大権現です。大きなオカマゴに何やら祀られており、石の板碑や祠もあります。実は絶壁の上なのでそこから見下ろすと高所に弱い私などは縮み上がります。サザナミ様は行かれましたか?
この場所は、昭和の初めまで嬥歌(もしくは歌垣、かがいと読みます)が催されていたそうです。今でいう、お見合いパーティ(それも際どいモノ)みたいなものですね。当時の写真(残念ながら際どくない)も何かで見たことがあります。
御参考になれば幸甚です。

Re: またまた凄いもの・・・・

鯨 様

いつもながら、貴重な現地情報ありがとうございます。友内山には「くしふる滝」もあるそうですが、天孫降臨神話にかかわる名前なので、「高千穂」も含めて古くからあるようならすごいですね。天孫降臨神話は降臨地が何度か変更されていると思うので、古代の一時期(忌部氏全盛時?)は友内山だったのかもしれません。
滝の立石も石尾神社のイワサカを思い出しました。あと、歌垣山は大阪の能勢町にもあるので、古代の神聖な山の一つなのでしょう。
阿波では行ってみたいところはたくさんあるのですが、時間と体力と交通費の問題で、残念ながらなかなか回り切れません。

くしふる滝がチブシャン滝です

さざなみ様、レスをありがとうございます。
私はくしふる滝という名前を知らなかった
のですが、チブシャン滝の別名のようです。
チブシャンはチチブシャンと書かれている
例も多いです。

友内神社参道になる道路から斜面を
斜めに川筋まで下りて見上げます。
浮島と称される川床の岩盤からは、
それなりの装備と技術が無いと懸垂・
降下できません。
滝の脇は、黒ビニルの太い導管が沢山
垂れ下がっています。

徳島へお越しの際は、御案内いたします。

スヱさんの掲示板に紹介されています。
御参考になれば幸甚です。
https://sueyasumas.exblog.jp/23533648/
https://sueyasumas.exblog.jp/17193996/

Re: くしふる滝がチブシャン滝です

鯨 様

チブシャン滝、行ってみたいですが、「それなりの装備と技術」・・・・いやもう、完全に無理です😭
十年前ならチャレンジしたのですが。
ところで立石山大権現の立石は、円形だと案内板に書いてありました。(すえドンさんのブログで確かめました。)
ストーンサークルだとしたら、なかなか興味深いです。ただし、阿波の山奥は道が細くてわかりにくいところが多くて、車でなるべく近くまで行こうとするグータラ系の私たちには、到達が難しいところがや多そうです。
でもまあ、簡単に行けないからこそ、独自の文化が守られているのでしょうね。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

フリーエリア