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高天原はすぐそこにあった!

昭和の古い写真シリーズです。


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ここは、茨城県鹿嶋市の「高天原」。
今では周囲の宅地化が進んでショッピングセンターもでき、同じ風景はもうないようです。


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(鹿嶋市郷土かるた)

実は昨年12月24日、BSフジで
『藤井フミヤスペシャル5 神々が住む場所・高天原は茨城にあった?』
という番組がありました。
なぜ茨城高天原説があるのかを、鹿島神宮・香取神宮や中臣氏(藤原氏)とも絡めながら考えるという内容です。
解説役は茨城大学人文社会学部の田中裕教授でしたが、鋭い切り口の仮説は残念ながら出ていませんでした。

 ★

『常陸国風土記』には、こう書かれています。
・・・天と地とがひらきはじめるより前に、諸祖天神≪土地の人はカミルミ・カミルギという≫が、八百万の神たちを高天の原につどい集められた。その時、諸祖神が告げていうには、『いま、わが御孫命が豊葦原水穂之国を治めにお降りになる』と仰せられた。このとき高天の原から降ってこられた大神は御名を香島の天の大神と申し、天にてはすなわち日の香島の宮と号し、地にてはすなわち豊香島の宮と名づける。
(東洋文庫版『風土記』より)


これって、ニニギ命による天孫降臨神話とほぼ同じストーリーです。しかし、天孫降臨神話といえば南九州の高千穂だったはず。


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九州とは反対方向の茨城県がなぜ?
「わが御孫命」とありますから、鹿島神宮・香取神宮の祭神ではないはず。大和を挟んで真逆の茨城県に、なぜ天孫降臨神話があるのか、不思議です。
・・・それでなくても九州には高千穂候補が二つもあり、競い合ってるというのに、茨城県まで出てきたら三つ巴でややこしいですよね。えらいこっちゃ!
 
 ★

さて、ウィキペディアの「高天原」によると、ここが高天原だという説は、こんなにありました。

高原町(たかはるちょう) - 宮崎県高原町
高千穂(たかちほ) - 宮崎県高千穂町
阿蘇・蘇陽 - 熊本県山都町
蒜山(ひるぜん) - 岡山県真庭市
生犬穴(おいぬあな) - 群馬県上野村
長崎県壱岐市(壱岐島
西麓 - 鳥取県八頭郡若桜町舂米
和歌山県の高野山の地名である高野(こうや)
静岡県伊豆の国市
信州川上村の高天原
黒部川源流地域 -富山県富山市
山梨県北杜市小淵沢町高天原
滋賀県米原市伊吹山山麓

いやあ、これはもう邪馬台国論争と同じレベルですね。
なんと、高天原イスラエル説や、ギリシャのオリンポス説まであるとか。

諸説ある中で、私の独断と偏見で最も重要だと思うのが、奈良県御所市の「高天彦神社」説と、近江の湖東説です。

ウイキペディアの「高天原」には、

高天原には多くの神々(天津神)が住み、天之安河や天岩戸、水田、機織の場などもあったことが記述されており、人間世界に近い生活があったとの印象がある。

と書かれています。とりわけ天之安河や天岩戸を重要視すれば、「やす」の名を含む川と、岩戸
的な巨石があることが条件ですよね。

というわけで、今回は、近江の湖東説を取り上げます。

  ★

これは、神体山信仰の代表格、太郎坊山です。


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夫婦岩の巨大な割れ目をご覧ください。


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近江高天原と書かれています。
そもそも天の岩戸神話は、冬至にかかわる太陽祭祀と関係があると言われます。この夫婦岩の隙間からは夏至の太陽が昇り、反対側は冬至の太陽が沈む方向に近いため、ここがモデルであっても不思議はありません。

さらにこの太郎坊山のすぐお隣にあるのが、その名も岩戸山


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高天原の一部といっても過言ではない、まさに神秘の山々です。

さて下の景色は、太郎坊宮から見る湖東平野で、遥か彼方の山並みは、鈴鹿山系です。


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そこには、何度も載せてきた、神秘の磐座。


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これは、三重県四日市市、椿大神社の巨大磐座です。
椿大神社の祭神である猿田彦は、高天原から降臨するニニギ命を空中で待ち受けて案内した神です。


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さらに椿大神社の社務所でいただいた、「猿田彦大本宮物語」。


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ここには、こんな文が記されていました。

入道嶽の峰つづき約一里、近江の国(滋賀県)の国境に高まる山という高山がある。(高まる山は、高天ヶ原山のなまりと言われている)。

驚くべきことに、滋賀と三重の県境付近(鈴鹿山系)には、かつて高天原と呼ばれていたエリアがあるのです。
そしてその西側の水は、すべて野洲川(やすがわ)に流れ込みます。

つまり、高天原の安の河を野洲川とすれば、その上流には三重県側からも「高天原」と呼ばれていた地域があるという事なのです。

さらに考古学的な遺跡でいえば、銅鐸が大量に出土したことで知られる大篠原にある「銅鐸博物館(野洲市歴史民俗博物館)」と、邪馬台国近江説も出た伊勢遺跡。ここは弥生時代後期の国内最大級の大型建物群で知られます。

では、下の地図をご覧ください。




黄色が太郎坊宮で、オレンジ色の?マークが椿大神社の磐座。
灰色は銅鐸博物館で、緑色が伊勢遺跡です。
そして紫色が、野洲川の河口です。

では最後に、近江高天の原説に関係するかもしれない、原始信仰・自然信仰の場を載せておきます。


茶色・・・三上山
ここは、太郎坊宮と並んで日本を代表する神体山の一つです。


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青色・・・通称「出世不動」で、巨石信仰と古墳の聖地です。


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オレンジ色・・・八丈岩は、猿飛佐助伝説の謎めいた巨石信仰があります。


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アズキ色・・・飯道神社の磐座群。


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黒色・・・天狗岩。


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いかがでしょう、琵琶湖から鈴鹿山系の間には、古くからの聖地がたくさんあるのです。
高天原のモデル、原郷である可能性は十分あると思います(^^♪


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コメント

高天原と大祓

サザナミ様、毎度毎度、面白い記事を掲載下さりありがとうございます。
高天原といえば、つい先日の夏越の祓で奏上される大祓の祝詞。高天原に神留まり坐す皇親神漏岐神漏美の命以て、とはじまる大祓の祝詞が、高天原は阿波だった説の有力な証拠とされています。
次々段に
天の磐座放ち天の八重雲を伊頭の千別に千別て 天降し依さし奉りき、とあります。伊頭はイツと読んでいますが、イの國の先のこと。これがどんどん分かれ勢力範囲が広がったと詠んでいます。イの國は、イヨの二名の國のイであって、四国島内にはイノカシラという地名は少なくないのです。このことから、高天原は阿波にあったと考えられるのではないかと。で、高天原の推定地は今の神山町のあたりとされています。
この大祓は、中臣氏の伝承してきたモノで、忌部氏ではないところが皮肉です。

Re: 高天原と大祓

鯨 様

「祟神を遷し却る」などの祝詞にも、「伊都之千別千別て」がありますね。
日本書紀の天孫降臨では、その部分が「稜威之道別道別而」と書かれ、古事記では「伊都能知和岐知和岐て」と書かれます。
解釈としては、「威風堂々と道をかきわけかきわけ」とするのが主流でしょうか。
難解なため正解はないようにも思えます。阿波にも「やす」という言葉が入る地名とかあれば、がぜん面白くなると思うのですが、神山あたりを探してもなかなか見つからないです。

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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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