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鬼岩(大田市)・奇怪な岩の鬼伝説

島根県大田市大屋町の山間部、対向車が来たら片方がバックという細い道の先に、『鬼岩』(島根県天然記念物)という奇妙な岩がありました。


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高さ20m程度の奇岩の表面に,まるで虫に食われたかのような『タフォニ』と呼ばれる窪みがいくつもあいています。


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ここには、こんな伝説があります。

昔々、近くの山に鬼が住んでいました。ある日、鬼があらわれ、「城をこの村につくらせてくれ」と村人にいいますが、きっぱりと断わられます。困った鬼が観音様に相談すると、「夜明けまでにつくれば許す」と言われました。
鬼はたいそう喜んで、夜明けまでに完成させようと頑張ります。
すると観音様は、にわとりの鳴き声をまねして、夜が明けたようにおもわせました。その声を聞いた鬼は途中で石を投げ出します。
岩には、五本の指跡がはっきりと、残っていました。
以来、村の人々は五つの穴に観音さまをまつり、毎年法要をおこなうようになりました。そして、この地区を鬼村と言うようになりました。


そういえば、確かに鬼の指のあとが目立ちます。


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かなりでかい鬼ですね。進撃の巨人レベルかも (^^)/

しかしまあ、鬼の方が騙されたわけで、少しかわいそうな気もしますよね。
鬼は、疫病を象徴するとか、鉱山師を表すとか、いろいろな説があります。
鬼村では、かつて鉱山でにぎわったとか。放浪の民でもある鉱山師たちを、土地の人々は畏怖感を持って「鬼」と表現したのかもしれません。

 ★

同じ類型の伝説では、橋を架けそこなうパターンが各地にあり、恐ろしい鬼の代わりにアマノジャクが登場するストーリーが多いようです。

例えば和歌山県串本町の橋杭岩


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その昔、弘法大師がアマノジャク(天の邪鬼)と賭けをした。串本から沖合いの島まで、一夜で橋をかけることができるかどうか。
そして弘法大師が橋の杭をほとんど作り終えたところで、このままでは負けてしまうと思ったアマノジャクは、ニワトリの鳴きまねをした。弘法大師は朝が来たと勘違いして、作りかけでその場を去った。そのため橋の杭のみが残ったという。


何と弘法大師が、鬼の代わりに騙されたことになっています。
どちらが悪者なのかとか、そういう問題ではなさそうですね。

 ★

河内と大和の国境にある葛城山の久米の岩橋伝説では、葛城山と吉野金峰山の両聖地を結ぶ岩橋の伝説がありますが、ここでは役行者と一言主神が争います。
その時の名残が岩橋山中にある「久米の岩橋」であるとされ、これを含む奇岩怪石の「名石コース」が登山道にあります。

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(ウイキペディア)


いずれにせよ、この類型伝説に、鬼岩・橋杭岩・久米の岩橋と、かなり珍しい「奇しき巨岩」ばかり登場するのは、何か深い意味があると思います。
尋常ならざる場所に神が宿るという、より古い信仰の名残があるのかもしれません。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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