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(閲覧注意)秘境の土俗信仰・南伊勢斎田の山の神

お社というものは、清く正しく美しいものと思っておられる方には、ほんのりショックかもしれません。
自己責任でお読みください。

三重県南伊勢町斎田、民家のない山すそを入っていくと、ひっそりと鎮座しているのが「山の神」です。


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境内には、神秘的な川。


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巨大な岩壁の下に祠があるようです。


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岩壁信仰の類型ではありますが、今まで見たことのない奉納物がここにはありました。


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山の神への奉納物・祭祀物なので、おそらく男根なのでしょうが、鹿の角に挟まれて、奇妙な文字が並んでいます。


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「日天八王子」「月天八王子」「咄 口天 口光 口鬼」
これはいったい何なのでしょう。

日天八王子という名前は日天が天上、八王子が八皇子神という意味で、熊野大社系の國狭槌神(文殊菩薩)とする説もあるようですが、他の文字については全くわかりません。
あるいは、魔物との悪縁を断ち切る神の呪文なのだという情報もありました。


さらに、岩壁に立てかけた、異様な棒類。


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これもまた、山の神に捧げる男根なのでしょう。
山の神は女性なので、男性器を見せるという俗信は、全国的なもののようです。

そして、いちばん奥にある、山の神の祠。


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  ☆

さて、不思議な呪文と奥の祠との間に、このような異様な物がありました。


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白いものは、胎児の頭骨? 間引きされた赤ちゃん? イケニエ?


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いやいや、そんなことはないはず。おそらく猿の骨なのでしょう。
しかしこれは、いったい何のために置かれているのでしょう。

  ☆

こんな論文を見つけました。

牛馬の守護神 -厩猿信仰-
  中村民彦 京都大学霊長類研究所共同利用研究員
 厩猿信仰とは厩に猿の「頭蓋骨」や「手」などを祀り、厩の火災防止、衛生、牛馬の無病、安産などを祈願したものである。「猿曳き物語」にこの風習の謂われと思われる江戸期の「厩祈祷」の様子が紹介されている。
(略)
この唱事は口々に語り伝えられ、牛馬の持ち主は「伯楽」や「厩祈祷師(猿回し)」に嘆願し、生きている猿を厩の前で舞わせたり、厩の柱に繋いで置いた。それがいつしか死んだ猿の頭蓋骨や手を祀るようになった。骨を入手できない人々は絵馬や護符、そしてサルノコシカケまで祀ったのである。頭蓋骨や手はマタギに、絵馬は絵馬師に、護符は宮司や僧侶にと、それを生業にしていた者に依願したのである。


この種の民俗信仰が、ここでは令和の現在もなお続いているわけですね。正直驚きました。
秋田の阿仁地方など東北の深い山の中ならいざ知らず、近畿東海で馬を飼っている農家は絶滅に近い状態で、ましてや南伊勢にマタギの古俗をつたえる人々がまだ残っているとは思えません。

この背後が神秘的で巨大な岩壁であることも、意味ありげです。。


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川の中にも、いわくありげな巨石。


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岩壁・岩盤信仰と山の神信仰と厩猿信仰・・・畏怖感あふれるこの地の信仰を解明するのは、令和の都会に住む人間にとって、かなり困難であるように思います。
それにしても、日本にはまだまだ、多様な文化が残っているのですね。

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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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