fc2ブログ

記事一覧

琉球王朝の聖地も「荒れた岩肌」か?・斎場御嶽と安須森

前々回、ある意味気持ちの悪い、蜂の巣状風化構造が、意外に神仏の聖地となっていることを記事にしました。


11_20230203123035240.jpg


実は、独自の信仰文化を育んだ沖縄の聖地もまた、同じ傾向があります。

まずは斎場御嶽(せーふぁうたき)。


12_20230203123058894.jpg

13_20230203123050c70.jpg

15_20230203123029f7c.jpg


ここは、琉球開闢(かいびゃく)神話に登場する、琉球王国最高の聖地です。
琉球国王や聞得大君(きこえおおきみ)の聖地巡拝の行事を今に伝える「東御廻り(あがりうまーい)」の参拝地として、現在も崇拝されています。

直角三角形の洞門を潜ると、そこは三庫理(さんこうり・さんぐーい)の拝所です。


21_202302031230342b5.jpg


この岸壁の頂上にはキョウノハナの拝所があり、海が見える祭壇の彼方には久高島(くだかじま)が浮かびます。


25_20230203123040b99.jpg


この久高島は、琉球の始祖“アマミキヨ”が降臨した神の島として知られます。


26_20230203123022513.jpg


さて、直角三角形の洞門は、よく見ると盃状穴風の穴もあって、ざらざらした表面です。


31_convert_20230203122250.jpg


ここでは「荒れた岩肌」感はそれほど感じませんが、少し離れた場所にある「チイタイシ」や「ユインチ」の拝所などは、ざらざらした岩肌と鍾乳石が独特の雰囲気を醸し出しています。


40_convert_20230203122343.jpg

41_20230203124539243.jpg

42_convert_20230203122440.jpg

43_convert_20230203122527.jpg


 ☆

もうひとつ、17世紀に編集された琉球最初の歴史書『中山世鑑』(ちゅうざんせいかん)では、祖神アマミキヨによって最初に造られたとされるのが、安須森(杜)(あすもり・あしむい)の山々です。このためここもまた、沖縄最高の聖地と言われることがあります。


51_202302031230437dd.jpg

52_20230203123042749.jpg


2億年前の石灰岩層が隆起し、長い歳月をかけて侵食された四連の岩山は、写真左から「シヌクシ」「アフリ」「チザラ」「イヘヤ」と地元でよばれ、この鋭く切りたった岩山全体が聖地なのです。

この山々の一画が大石林山で、散策コースが琉球神話の杜に広がっています。


61_20230203123106a28.jpg

62_202302031231071c9.jpg

64_20230203123106ca8.jpg

63_convert_20230203122620.jpg

65_convert_20230203122722.jpg


神は美しいものに宿る、なんていう言葉も聞きます。岩石カテゴリーでいえば、勾玉類などはそうでしょう。前回の赤岩神社の岩なども、美しい色といえるかもしれません。
しかし、ざらざらして凸凹のある奇妙な岩に宿る神も、全国にかなり存在するけですね。柳田国男のいう奇しき岩こそが、日本の自然信仰・原始信仰の原点なのでしょう。

というわけで、人気のなさそうなマニアックなテーマの記事になりました。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます(^^♪
で、ざらざら岩に興味を持った方が少しでもおられるようでしたら、次回は、意外にも世界の古代神話につながっていた、この不思議な岩のある謎の島を記事にします。

71_20230203123103480.jpg

72_20230203123107c57.jpg

夜露死苦です(>_<)

つづく

四苦八苦のネタ探し、三つクリックしていただくと元気が出ますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~
にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村

神社・仏閣ランキング

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

フリーエリア