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宮島の大鳥居と消えずの霊火と空海の巨石信仰

高さが16mという、この大きな鳥居は、いったいどこの神社のものでしょう?


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普通の日本人なら、写真であれ一度は見たことのある鳥居ですね。
そう、日本三景、広島の厳島神社です。

一昨日、BS日テレで、『発見! ニッポンの神業スペシャル! 世界遺産 厳島神社へ 神の島 宮島の謎
という番組がありました
この鳥居は、令和元年からずっと修理をしていて、昨年12月にやっと完成したそうです。その修理の様子も流れていました。
重要文化財のため、古い部分も最大限残して活かすという制限があり、そのため「匠の神業」が必要だったそうです。

この大鳥居の大きさは、観光客と比べるとよくわかります。


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修理も大変だったでしょうね。

さて番組の後半で、タレントのヒロミさんたちが厳島神社に隣接する大願寺へ行って、仏像を拝観していました。ところが、かなり傷ついた仏さんもあります。
なぜそうなったのか?

元は厳島神社にあったのですが、明治の神仏分離令で、なんとか難を逃れて運び出されます。しかし雑な扱いだったらしく、あちこち傷ついたのだとか。石仏などは首を落とされて、各地に「首無し地蔵」などが急増した時代ですね。

 ☆

この宮島には、もう一か所、重要なお寺があります。
弥山山中の大聖院です。

とりわけ重要なのは、平安時代に弘法大師が弥山で修行した際に焚いた火が、実に1200年以上も燃え続けている消えずの火がある霊火堂でしょう。


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この霊火は明治34年(1901)に操業を始めた八幡製鉄所の溶鉱炉の種火になったといわれ、また広島平和記念公園の「平和の灯火」の火もここから採火されました。

しかしこの霊火堂、よく見ると背後や横は巨大な岩。


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空海は、巨石の前にお堂を建て、神聖な火を焚いたことになります。
これは単なる偶然でしょうか?

 ☆

さて、なぜ「空海」という名前なのでしょうか。

それは、室戸岬の御厨人窟で修行中、この洞窟から見える風景は空と海のみで、ここから「空海」の法名を得たとされます。
そして修行の最中に明星が口に飛び込み、この時に悟りが開けたと伝えられています。

これが、その御厨人窟です。


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しかし同じ室戸岬で、ここが本当の修行の場だという伝承があるのが、新村不動堂の岩山です。


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次です。
嵯峨天皇(弘仁年間 810~824年)の頃、空海が獅子窟寺の宝窟に入り秘法を唱えると、七曜の星(北斗七星)がこの地の南西方面に降り、等距離の三ヶ所に分れたという伝説があります。

弘法大師が、その呪文で星を落とした場所というのが、大阪府交野市の獅子窟という岩屋です。


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あるいは、和歌山県海南市下津町橘本の岩屋山金剛寿院福勝寺
ここには、水量は少ないながら、弘法大師が三十七日間勤念修行したという裏見の滝があります。


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歴史的事実としては無理があるものの、岩手県花巻市の冠山蝙蝠岩 弘法大師霊場には、何とも不思議な岩窟と巨石がありました。


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岐阜県大垣市赤坂の金生山にある、日本三大虚空蔵の一つという明星輪寺(みょうじょうりんじ)では、平安時代の801年(延暦20年)に空海が再興して真言宗に改宗。
ここでは、岩窟の向きを変えると、宝冠を被った虚空蔵菩薩の顔に見えます。


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何とも不思議です。

例を挙げるときりがありませんが、空海は原始神道における聖なる巨石や洞窟を意図的に利用しています。おそらく中国では、仏教や道教を含め、民衆レベルでの信仰状況をしっかり見てきたはず。それを生かし、日本において原始神道と密教の接続を進めたと思います。
とすれば、弥山の中腹、巨岩の前に霊火堂を建てたのは、偶然ではありえず、意図的なものでしょう。

間違いなく空海という人は、司馬遼太郎や柳田国男のような、第一級の知識人だったと思います。そして、同じように日本という国と文化を隅々に至るまで理解し、卓越した宗教者になったものと想像します。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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