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昭和レトロな「巨石・磐座信仰」の歴史(昭和55年~57年)

『日経サイエンス』といえば、米国の科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン (Scientific American) 』の日本版として、自然科学分野の論文を主に掲載する雑誌です。
その1980年(昭和55年)の表紙がコレでした。


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ヨーロッパに見られるメンヒル(立石)文化ですね。
日本ではなぜか関心が薄いのですが、巨石文化についてヨーロッパではしっかり研究されています。


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(ウィキペディアより)


この時代には、日本でも岩石の文化に関する関心が多少は高まっていたようです。

ちょっと脱線しますが、この雑誌の裏表紙には、IBMのコンピューターの広告がありました。


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いやー、レトロですね‼

 ☆

1980年(昭和55年)について・・・

この年、日本の自動車生産台数が世界一となりました。
竹の子族がブーム最盛期で、任天堂が「ゲーム&ウオッチ」を新発売。

ビートたけしさんの「赤信号、みんなで渡ればこわくない」や 志村けんさんの「カラスの勝手でしょ」が流行し、芸能界では松田聖子、田原俊彦、岩崎良美、河合奈保子、三原順子、柏原よしえらが相次いでデビューしています。

オフコース 『さよなら』『Yes-No』 RCサクセション 『雨上がりの夜空に』もヒット。

そして11月19日には、 山口百恵が三浦友和と結婚、芸能界引退。
12月8日には、ジョン・レノン殺害のニュース。

・・・・言い出せばきりがないので、これくらいにします。

  ☆

『日経サイエンス』の表紙をメンヒルが飾ったこの年の6月2日、
フランシス・ヒッチング著の『謎の巨石文明』 という本が出ています。 


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この本には、こんな記載があります。

北東アメリカから北ヨーロッパ、そして西ヨーロッパ全体を通り、北アフリカ、聖書ゆかりの地、中東を経て南インドまで及ぶ広大な地域には、何千年も前の人類が、苦労して巨大な石板を持ち上げ、梃子で動かし、非常な正確さで積み上げてできた、一見して同一形態とわかる巨石墓が存在する。また、中国や日本には、地球の反対側にあるものと気味が悪いほど酷似した石室が存在する。

  ☆

そして近畿大学名誉教授の野本寛一先生が、藤枝東高校在職時代に出された、『石の民俗』。

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(ウィキペディアより)


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初版は1975年なのですが、1980に再版が発行されています。石の文化に対する世の中の関心が高まったのでしょうか。

  ☆

翌年の1981年(昭和56年)4月3日には、
紀元前のアメリカ』 バリー・フェル著が出ます。


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コロンブス以前、それも紀元前千年以上前から、イベリア・ケルト人、フェニキア人、バスク人などが北アメリカ各地に移住していたことを、謎めいた神殿や巨石文化から立証したものでした。

  ☆

同じく1981年(昭和56年)の7月31日には、大和書房の『東アジアの古代文化』誌に
「特集 巨石文化と古代信仰」が出ます。


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ちなみに、社長の大和 岩雄(おおわ いわお)氏は、なぜこんな特集を出したのか?
このころは小川光三さんの『大和の原像』がヒットし、磐座を含む「太陽の道」がNHKの特番にまでなるという世相がありました。社長の趣味で出した本?がブームになったのですから、イケイケ気分のはず。

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しかしそれ以上に、知られざる重要な動機が一つ。
かつて國學院大學教授であり、巨石文化にも精通しておられた大場 磐雄(おおば いわお・1899 - 1975)氏と名前が1字違いだったからです。(おおわいわおおおばいわお

「名前が似ていて、親近感があってね」などという言葉を私は直接聞いていますから、確かです。
まあ私としては、「なんやねん、その理由⁉」と正直ずっこけたのですが・・・。

  ☆

さらに同年9月2日には、
巨石文化と太陽暦の謎』 藤芳義男著 
が発行されています。


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元東大教授の斎藤国治さんが推薦文を書いておられました。

 ☆

こんな流れの中、1982年(昭和57年)1月に藤本 浩一さんが『磐座紀行』を発刊され、磐座研究者のバイブル的存在になったわけですね。


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またこの年の8月1日には、前述の野本寛一先生が
石と日本人』 という書籍を発行されています。


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洞窟信仰と窪石信仰、形状石と日本人、禁忌と石、ストーンサークル、神籠石、霊石信仰など、さまざまな民俗をくわしく紹介されていました。

 ☆

下は、朝日新聞社の『石の声』です。


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これは朝日新聞の「こころのページ」(大阪)に、昭和55年1月から57年末の3年間にわたって、各地の石の信仰や伝承を集めて連載されたものです。磐座や巨石信仰もたくさん掲載されています。

というわけで、1980年~1982年(昭和55~57年)にかけての文化的動向をまとめました。もちろん私の持つ書籍だけでの紹介ですので、重要なものが抜けているかと思います。ご指摘、ご教示いただければ幸いです。

・・・で、明けて昭和58年。
橋田壽賀子原作のNHK連続テレビ小説『おしん』が放映され、最高視聴率62.9パーセントを記録、そして東京ディズニーランドが開園した年でした。

・・・・昭和は遠くになりにけり、ですね。

昭和世代向きのマニアックな記事になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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