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無残な巨大観音と、神社仏閣の諸行無常

ニューヨークの「自由の女神」(高さ93メートル)よりも高い、巨大な観音様。


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兵庫県淡路市の「豊清山 平和観音寺 世界平和大観音像」です。
これは、地元出身の不動産業者の男性が1982年に建てた巨大建造物でした。
現在はもう、取り壊しが進んでいることでしょう。


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像内部のエレベーターで展望台のある首のあたりまで昇ることができ、レストランや美術館もあったそうです。


ところが建築した男性や相続した家族が亡くなり、2006年から放置されていました。台風で穴が開くなど危険性が高まり、財務省近畿財務局が約9億円をかけて解体工事を6月から始めたようです。
解体費用って、税金ですよね(>_<)。

  ☆

ここからが本題です。
同じ淡路島、洲本市中川原町の「水の大師」も、事実上廃墟化していました。


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上の建物は昔、飲食店だったそうです。
この廃墟のすぐ裏にあるのは「大師堂」です。


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ここには、弘法大師が地に杖をついて湧かせたという伝説がある、不治の病に効く「霊水」が湧いていました。

しかし、阪神・淡路大震災の影響で霊水が枯れ、今では水汲み場もありません。
飲食店があったくらいですから、霊水を飲んだり汲んだりする人々でにぎわったことでしょう。


さらに海岸沿いには、海に張り出た岩に大師お手彫りと伝わる仏像が刻まれています。


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ところが現在は、仏像を囲む箱枠もないそうです。

  ☆

さらにこれは、もう少し南に行ったところにある、以前にも記事にした岩戸神社(いわんどじんじゃ)。


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ここは「廃神社」で、かつては蔵王権現と少彦名を祀り、龍神伝説もあったようです。
洞窟内には、悲しげな雰囲気が漂っていました。

  ☆

ところが、今も参詣者が絶えないようなお社でも、微妙に変化している場合がよくあります。

それは淡路島の対岸、徳島市国府町矢野にある八倉比売神社(やくらひめじんじゃ)。
社殿裏手100mほど奥に、五角形の磐座があります。


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ややアップ


これは、一説に卑弥呼の墓であるともいわれる不思議な石積みです。
謎めいた古代信仰のようですが、1987年に撮影された下の写真と比べると、微妙に変化しています。


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石の祠と基壇の間に、川原石などの石積みがありますが、近年は明らかに石の数とその面積が増えています。
昔の方がコンパクトだったようです。


さらに祠の中に注目。

まずは今の様子です。

現代アップ

そして昔です。

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これも中が違うように見えませんでしょうか。


そういえば、最近も紹介した、神明磐境神社。


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新しい説明板には、現在の姿は江戸時代後半以降のものと書かれています。

  ☆

これらは阿波と淡路だけのわずかな例ですが、古代の姿そのままと思っていても、実は姿を大きく、あるいは微妙に変えている場合がたくさんあるはず。祭神が二度三度と変更されたお社も結構あります。

現在の祭神、今ある磐座や磐境やご神木、それらがいつの時代にか変化していたなら、私たちは何を根拠に神社文化を論じたらいいのでしょう。
参拝方法にしても、「二礼二拍手一礼」というのを昔の人はしていません。これが広まったのは平成時代です。

当然ながら、延喜式神名帳には写真も詳細な祭祀様式もありませんから、何をもって伝統信仰とするのか、正直迷うところです。
神社と言うのは、昔からずっと一緒の日本的伝統文化・・・という思い込みだけでは、どうも済まないものを感じます。


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コメント

神社

定型化した神社の祖型は産土ではないかと感じていますが、信仰した氏族や地域との関係が疎になると神社というのは変容の度合いが大きくなっていくようですね。神社としても生き残っていく必要がありますから、当然の環境適応なのかもしれません。

Re: 神社

形名 様

なるほど、砂漠とか湿地とか、それぞれの環境に適した生物が生き残り、あるいは変化していくような変遷が信仰にもあるのかと思うと、すっきりしますね。

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プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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