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稗田野神社の「石の環」・古羅漢と韓竈神社にも共通する再生呪術とは?

亀岡市ひえ田野町の稗田野神社(ひえだのじんじゃ)は、がん封じでも知られる古社です。


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これは「癌封治瘤の木」です。


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「癌封治瘤の木」→「石の環」→「御本殿」→「気力の石」→「幸魂奇魂の魂石」という癌封治参拝順路があるそうで、アフラックだけでは不安な方はぜひどうぞ(^^♪

神社庁HPには、稗田野神社についてこんな由緒が書かれていました。

約3000年程前にこの地に住み着いた祖先の人達が現在の社殿の裏にある土盛りの処で、食物の神、野山の神を祭り、原生林を切り拓き田畑を造り、収穫した穀物を供え作物の豊作と子孫の繁栄を祈り捧げました。
それから時が流れ、大和朝廷の基礎が出来上がった和銅2年(709)、丹波国守大神朝臣狛磨が朝廷の指示によって土盛の前に社殿を造営し佐伯郷の産土神として祭り、国の安泰と五穀豊穣を祈りました。これが当社の起こりです。



3000年前の祭祀跡というのがこれのようです。


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何が埋まっているのでしょう?
3000年前というのが正しければ、弥生起源、いやひょっとすると縄文起源かもしれない極めて古いお社だということになります。

そういう目で見れば、磐座あるいは石神らしき岩もいくつかありました。


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いつのころからかはわかりませんが、これは意欲と気力を授かる必勝願掛け石。


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石に両手をあてて願掛けする事により、石に秘められた気力を得るのだそうです。

新しいのは確実ですが、こんな球体も。


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こちらは和銅禊ぎの池。現在でもここで手を洗う人が多いそうです。


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さて、私がいちばん気になるのは、この石の環くぐりです。


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願い事を強く明確に念じながらくぐると、願い事を達成する気力を授かるという石の環です。
ただし、「石製の茅の輪くぐりかな」なんと思われた方もあると思います。
たしかに信仰原理としては、「茅の輪(ちのわ)くぐり」や「胎内くぐり」と同じだと思います。


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それぞれ古くからの新生・再生呪術でしょうね。

しかし同種の信仰観念とはいえ、「茅の輪くぐり」は「茅(かや)」という植物が重要です。
そして一方の「胎内くぐり」には、「岩」が関連することが多いと思います。

日本神話における石長姫(いわながひめ)と木花開耶姫(このはなさくやひめ)の性質が大きく違うように、「=」や「≒」で結ぶのには抵抗がありました。しかし両方をミックスした「石の環くぐり」をみて妙に納得。

いずれにしろ、これらは日本古来の再生呪術・新生呪術と見て間違いないでしょう。
子宮からの新たな誕生という意味ももちろん含まれます。

 ☆

もしここまでの推理が当を得ているのなら、大きな穴が開いた岩山に神社仏閣がある場合は、そこに再生呪術・新生呪術の伝統が引き継がれていると考えるべきかもしれません。単に奇妙な景色やインスタ映えする光景ではないはずだと思います。

たとえば、私が日本有数の不思議な絶景だとイチ押しする、大分県中津市本耶馬渓町の古羅漢


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この背後の奥には、大化元年(645)にインドの僧、法道仙人が岩山の洞窟で修行したことから開基された羅漢寺があります。


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現在は県道のトンネルを通ってリフトに乗り、羅漢寺へ上ることになります。
しかしかつては、古羅漢の岩穴を潜る事で罪穢れを落とし、羅漢寺への山道をたどる人々も多かったと想像します。

  ☆

もう一つの穴は、島根県出雲市唐川町の韓竈神社です。


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ここに行くには、登山して細い隙間を通る事になります。岩穴やすき間を通らないと、神社へはたどり着けないのです。


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ここもやはり、たんに物珍しい景観だから神社があるのではなく、穴を潜るという宗教的観念があったものと思います。
地母神の子宮から新たに生まれるのだという原始の記憶が蘇るかもしれませんね。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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