fc2ブログ

記事一覧

中之嶽神社(妙義山)・巨大なヒトガタに思う事

ヒトガタの巨石をご神体とする自然信仰のお社はいくつもあります。


IMG_1879_convert_20171030162456[1]

DSCF9041_convert_20171030162411[1]


DSCN3026_convert_20190219150204[1]

IMG_1051_convert_20190219151027[1]


CIMG1613[1]

IMG_9079_convert_20200322123846[1]


そして、群馬県下仁田町の中之嶽神社

妙義山の南麓に鎮座し、轟岩(とどろきいわ)をご神体とする巨岩信仰の神社です。


IMG_1695.jpg


IMG_1684.jpg


どの案内をみても、翼を持った鳥の形に見えるそうで、この鳥は八咫烏であるともされているそうです。
しかし私には、背中合わせに立つ二人のヒトガタに見えます。


神社の前には、日本一大きい金色の大黒像(高さ20m、重さ8.5t)が目立ちます。


IMG_1701.jpg


IMG_1665.jpg


大国主命(大黒天)を祭るお社で、野球の神様としても知られます。

石段を上ると、轟岩に接して拝殿があります。本殿はなく、ご神体の轟岩を拝する様式です。


IMG_1598.jpg


IMG_1603_convert_20201001140856_202010011452566ac.jpg


拝殿です。


IMG_1639_20201001145303843.jpg


IMG_1631_20201001145303e1b.jpg


IMG_1632.jpg


轟岩に空いた穴に接しているのでしょうか。

  ☆

    
ホームページには、その由緒が記されていました。

大和時代の第二十九代欽明天皇(在位539-571年)の御代に妙形氏が社殿を建立、平安末期、第八十二代後鳥羽天皇の寿永二年三月(1183年)藤原祐胤卿が鍛冶の名工を得て神剣を奉斉いたしました。江戸時代に入ると、第百八第後水尾天皇の元和二年丁巳月(1616年)、加藤長清(道士)が登厳し中興の開山主として神器を守り奉斉し、諸大名が崇敬を寄せ、小幡藩主織田筑前守信久侯が社殿を改築、中之嶽奉行を設け地所を寄進いたしました。

大変気になる所を赤字にしました。中興の開山主は道士だと記されます。
では、道士とは何なのでしょう?

ウィキペディアにはこう書かれています。
道士(どうし)とは、道教を信奉し、道教の教義にしたがった活動を職業とするもの。 男性の道士は乾道(けんどう)、女性の道士は坤道(こんどう)と呼ばれる

つまり中国の宗教である道教の信奉者が、このお社の中興の開山主だとされるわけですね。
最初は違和感があったのですが、考えてみれば妙義山の山容は独特です。


IMG_1559.jpg


IMG_1563.jpg


IMG_1715.jpg


道教の聖地である崑崙山(こんろんさん)や、蓬萊山などの五神山を描いた中国の山水画には、これによく似た峩々たる岩山がよく見られます。

ひょっとすると、日本の原始道教においても、妙義山は神聖な山だったのかもしれません。

道教なんて、日本の神社とは関係ないよ・・・そう思われる方もあるでしょう。
日本人は太古の昔から、単一民族・単一文化だったと信じておられる方の中には、反発を感じる方さえあると思います。

しかし、こう考えてはどうでしょう。
かなりの日本人は、小さい頃は氏神さんでお宮参りをし、結婚式は教会、死んだら仏式でお経をあげてもらいます。
食事文化にしても、和食もイタリアンもフレンチも、あるいはアメリカンなファストフードにも親しんでいます。日本人のくせにけしからん、などと言う人がいれば変わり者扱いされるでしょう。すべての料理をまぜこぜにして食べても、おいしいとは思えません。それぞれの文化素材を、われわれはうまく生活化して利用しているのです。

宗教もまた同じだと思います。
日本列島に住む人たちは、カムチャッカ半島経由、朝鮮半島経由、山東半島経由、南西諸島経由と言うように、微妙に異なる様々な信仰を素材として、うまく文化を作ってきました。そもそも道教自身が「博物的総合性」を持つ雑多な宗教文化を持つとされます。
神社神道同様、明確な開祖や唯一の経典はありません。

香港映画『霊幻道士』では、キョンシーの額にお札を貼るシーンがよく出てました。お札を作るためには紙と筆記用具の製造が必須です。日本の神社で配布するお札の原型は、おそらく道教のお札が源流であろうと想像します。

これは、孝明天皇の袞衣です。


190px-Kone[1]
(ウィキペディアより)

ここにデザインされる龍・鳳凰・北斗七星などは、道教のシンボルとされます。
そもそも天皇という言葉も、道教由来なのだそうです。


ヒトガタのご神体と言っても、その由来や信仰はいろいろなのかもしれません。
となると、磐座・磐境などにも、あるいは津々浦々の神社そのものにも、ひと口ではまとめられない多様な出自や属性が潜んでいるのかもしれませんね。
私たちの文化は、意外にグローバルだったと改めて思う次第です。


IMG_1673.jpg



ポチしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~
にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村

神社・仏閣ランキング

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

フリーエリア