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超人気「ゴトビキ岩」と風に漂う「浮島の森」・熊野三山の語られぬ神秘

8月14日は、和歌山県の新宮市におりました。
市内の繁華街をトロトロ走っていると、屋根の間にゴトビキ岩が見え隠れします。


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原始信仰マニアやイワクラハンター、そしてパワースポットファンにとっては、新宮と言えば何といってもゴトビキ岩なのです(^^♪

今まで何度も急な階段を上ってゴトビキ岩まで行っていますが、せっかくだから麓の境内でも撮ろうと近づきました。
すると、驚くなかれ鳥居前周辺は車で大混雑。

もともと狭い道路ですが、駐車場に入れない車が何台も路上駐車し、大渋滞。参拝者もうろうろしていて、あきらめてUターンするのさえ大変な状況でした。かき氷の露天を出したら超売れるな、などと思ったくらいです。

コロナで観光客は少ないと聞いていたのに、人気スポットは三密覚悟の人出なのですね。

  ☆

さて、ゴトビキ岩をご神体とする神倉神社から東南へ500~600mほどのところに、『浮島の森』があります。
国道沿いには案内表示があるのですが、今まで行ったことはありません。この時期、新宮はあまりに気温が高く(同じ南紀の串本より数度高温でした)、水に浮く島ならちょっとでも涼しそうな気もしました(?_?)

浮島の正式名は、「新宮藺沢(いのさわ)浮島植物群落」。1927年(昭和2年)4月8日に国の天然記念物に指定されました。


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島の大きさは、東西85 m、南北60 mというかなり巨大なものです。
かつては広大な水域に、その島が風に吹かれて漂ったというのですから驚きます。

では、なぜ島が浮くのか。
この島の土は、沼池で枯死した植物の遺体が腐敗することなく泥炭化した、ピートの一種だからです。

入口案内所には、その土が置いてありました。


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なるほど、実際に手で持つと、軽くて水に浮くことが実感できました。

一通り説明を聞いて、順路に従って進みます。


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あまりきれいでない、濁った水でした。

周囲が埋め立てられて住宅化し、生活排水も一部流れ込んでいるとか。
かつてはもっと美しい水だったのでしょう。

橋を渡って進みます。


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なんだか鬱蒼としたジャングルです。


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これは、『蛇の穴』という底なし井戸の跡。落ち葉などで塞がれていますが、かつては穴が開いていたようです。


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ここは大蛇が棲む底なしの井戸で、「おいの」という娘が引きずりこまれたという恐ろしい伝説がある所です。
ひょっとすると、いけにえの記憶でしょうか?

島の反対側に抜けると、そこにはかつての広い沼地を少しはイメージできるような水面がありました。


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  ☆

日本一の大きさを誇る浮島ですが、神社仏閣はもちろん、小さな祠や石仏さえありません。
単なる、ちょっと珍しい観光スポットのようです。

ところが、それは大きな間違いでした。帰宅してから分かったのですが、ウィキペディアの「新宮藺沢浮島植物群落」には、こんな文があったのです。

近世以前には神倉神社を拠点とする神倉聖(熊野速玉大社など新宮一帯の社寺の運営にあたった修験者集団)の聖地・行場と見られていた(『紀伊続風土記』)

驚きました。ゴトビキ岩をご神体とする神倉神社の『聖地・行場』だったとは!
たしかに、建物がなければ、ここからゴトビキ岩ははっきり至近距離に見えます。
それにしても、行場と言えばごつごつした岩場や滝の落ちる場所というイメージだったのですが・・・。

ここで、ふとひらめいたことがあります。
ひょっとすると、ゴトビキ岩と蓬莱山を結ぶ線上に位置しているのではないか?

まさにぴったりでした。
下の地形図をご覧ください。




オレンジ色・・ゴトビキ岩
黄色・・・・・浮島
紫色・・・・・蓬莱山

下は、新宮市の海岸近くにある阿須賀神社(あすかじんじゃ)と、背後の蓬莱山です。


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説明板をご覧ください。


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熊野権現が神倉山に下りた後、「阿須賀之北」に勧請されたと書かれています。
神倉山(ゴトビキ岩)とこの阿須賀神社は、熊野三山信仰の成り立ちにかかわる重要な聖地なのです。

しかもゴトビキ岩から見る夏至の朝日は蓬莱山の方向から昇り、その線上には神倉神社の『聖地・行場』である浮島が漂う・・・・
これは単なる偶然でしょうか?

さらに阿須賀神社には、なんと「徐福の宮」があります。


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日本古代史上の巨大な謎、「秦の徐福」です。そういえば、ここ新宮は徐福の墓まである所なのです。


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神武天皇伝説に徐福伝説に熊野三山信仰の始原の地・・・・新宮には、どうもまだ知られざる謎がありそうです。


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つづく


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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