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子安神社と神功皇后「跨ぎ石」・金生山という聖地を推理する

岐阜県大垣市赤坂町、金生山の麓に子安神社が鎮座しています。


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三代実録の貞観十八年(876年)に記録があり、少なくともその時代には存在した古社です。

ちなみに貞観の時代(859-877)は大変な天災の時代だったようです。
貞観6年(864年)富士山が噴火。(貞観大噴火)
貞観10年(868年)播磨国地震が発生。官舎、諸寺堂塔ことごとく頽倒。前年から引き続き、毎月のように地震があったらしい。
貞観11年(869年)貞観地震と貞観津波。
貞観13年(871年)鳥海山が噴火。
貞観16年(874年)開聞岳が噴火。

平安時代は、平安じゃなかったのですね。
このような連続した災害が現代に起これば、壊滅的な被害でしょう(>_<)


・・・元に戻ります。
子安神社は、安産・子育ての神様として有名なスポットです。
神功皇后の「鞍掛石」あるいは「跨ぎ石」と呼ばれる特殊な形状の岩がありました。


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子宝に恵まれる石として人気があり、夜中に女性がこの石に跨がって神様にお祈りすると、子宝に恵まれるそうです。

このことだけを見れば、ほほえましい民俗信仰だな・・・で終わるのですが、深読みするといろいろな可能性が出てきます。

  ☆

まず、一つ目の視点から。

女性がまたぐと子宝を得るという俗信・信仰は、神が来臨することが基本である磐座信仰とはカテゴリーが異なる可能性があると思います。

ミルチア・エリアーデは、『世界宗教史』という著作の中で、エレミア書やメンヒル(立石)に触れながら

フランスでは、子どもを授かりたい若い女は、「滑降(グリザード・石の面を滑り降りる)」と「摩擦(フリクション・ひとつの立石の上に坐るか、腹を特定の岩にこすりつける)を行った。

と記しています。


そして同じページの最後は、

インドネシア神話に従って言えば、彼らは石とバナナの両方を手に入れることに成功したのである。

という文で締めくくられています。

バナナ型神話と言えば、ニニギが醜いイワナガヒメを帰して美しいコノハナノサクヤビメとのみ結婚してしまうという日本神話の中に、その痕跡をとどめています。

子安神社の「鞍掛石」あるいは「跨ぎ石」は、日本の片隅のローカルな俗信として見過ごすことのできない重要な謎が含まれていると思うのは、私だけなのでしょうか。


二つ目の視点です。

この子安神社から金生山を登っていくと、このような石灰岩地帯があります。


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同種の「奇しき岩」を特別な伝統的聖地とする場所が、先日も紹介したように沖縄にありました。


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上はいずれも琉球の王権神話にかかわる重要な御嶽でした。

  ☆

一方、金生山の石灰岩地帯に隣接するのが、明星輪寺です。


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本尊は、岩屋の中にある虚空蔵菩薩の彫刻です。


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この岩屋を少し離れて見ると、こんな具合です。


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横向きに見ると、不思議なものが見えます。
宝冠を着した虚空蔵菩薩が、下界の衆生を向いているお姿に見えるのは私だけでしょうか。


金生山は、このほかにもまだいろいろあり、神仏のパラダイスとさえ言われます。あるいは、金生山は全山ミステリーの山だと言えるのかもしれません。
もうひとつ、吉備中山がエルサレム的存在であるならば、この金生山もまた、日本の小エルサレムであるような気もします。

この重要な謎を秘めた金生山には、かつて更紗山(標高217.1m)、愛宕山(同217m)、月見山(同130m)と呼ばれる3つのピークがありました。
ところが石灰岩の採掘により、現在はいずれも失われています。
地元の産業振興とはいえ、聖なる山が掘り崩され、見るも無残な姿に変わった事はきわめて残念です。

採掘で失われた峰にも、きっと驚くべき古代の謎が存在したのでしょうね。


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Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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