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記事一覧

生野の山神社(朝来市)・この立石は何者か?

一見どこにでもありそうな、兵庫県朝来市生野町の山神社です。生野銀山の近くに鎮座しているだけあって、祭神は金山彦命。鉱山稼働時は国鉄播但線に臨時列車が出る程賑わったそうです。大永元年(1521)の創立と伝え、鉱業者が採掘した鉱石の50分の1を徴収して経費に充てたそうで、これを山神鍵(クサリ)とよびます。ただし、この地に鎮座したのは、明治24年(1891)だとか。新しい鎮座とはいえ、境内の背後を登ると、磐座の様な巨石が...

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岩船に乗って来臨する神・丸岡城と舟形石棺

福井県坂井市丸岡町の丸岡城です。映画『戦国自衛隊』(1980年公開)では、この丸岡城を使って天守閣から長尾景虎(夏八木勲)がヘリコプターに乗り移るシーンに驚きました。かっこよかったですね。さて、この城の一画に、こんなものがありました。これは、白山神社の林にあった古墳から発掘された舟形石棺です。舟形石棺とはどういう葬送思想でどこから来たのか、それは謎とされています。棺桶が船の形をしているなんて、現在...

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フッチャー石という奇妙な立石

からんころん石でも書きましたが、立石(メンヒル)は、今でも日本各地に残っています。大きさはもちろん、人工的かどうか、あるいは時代背景もかなり違うのでしょうが、これらは研究が進んでいない石の文化です。おそらく立石という地名の残る所には、かつて何らかの岩が立っていた可能性が高いと思っています。  ☆さて、沖縄県南城市佐敷手登根に、フッチャー石という奇妙な立石があります。比較的小型で、特に注目もされてい...

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潮御崎神社の太陽信仰と志津の窟と「入り陽のガバ」

本州最南端、和歌山県の串本に突き出した潮岬に、潮御崎神社(しおのみさきじんじゃ)があります。かつては紀南地方18ヵ村にまたがる、広大な地域の総氏神様でした。また、太陽信仰に関わる大きな磐座があるとして、一時話題になりました。では、写真地図をご覧ください。下の地図では、黄色が潮岬灯台で、オレンジ色が潮御崎神社です。その潮御崎神社のすぐ右上(北東)をアップすると、志津の窟(しずのいわや)と記された場所が...

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からんころん石・七寶寺のメンヒル

兵庫県神崎郡神河町大山の七寶寺(三十三観音 第九番霊場)。このお寺の前には、メンヒルともいうべき巨大な立石があります。名前は、「からんころん石」。ここには、こんな伝説がありました。今は昔 村の居酒屋に 夜な夜な酒を購いに来る美しき娘ありき その下駄の音 雨の日にも「からんころん」と聞ゆるも不思議なれ さて 娘の来たりし夜に限りて 売上げの中に 美しき木の葉一枚まざりおり これを怪しみ 亭主あとをつけるに 寺橋...

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丹内山神社と宝塚歌劇『阿弖流為(アテルイ)』

宝塚歌劇 『阿弖流為 –ATERUI–』(2017年7月・星組公演)の舞台では、下のように奇妙な巨石信仰が登場します。巫女のような女性が、何か祈っていますね。何でしょう、この異様な巨石は?  ☆この岩のモデルは、岩手県花巻市東和町の丹内山神社にある、巨大な磐座のようです。なんだか、半端ない畏怖感が漂っています。じわじわと威圧感を感じるのは、私が旧平安京の人間だったからでしょうか・・・  ☆801年2月、桓武天皇は坂上...

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金峰山・五丈岩をめぐる騒動記

昨日、毎日新聞のネット記事に、「心のよりどころ」信仰の岩にハーケン、落書き…山梨の神社困惑という記事が載りました。山梨と長野の県境にあり、日本百名山の一つに数えられる金峰山(きんぷさん・2599m)で、山頂にある五丈岩をよじ登る人たちに地元関係者らが頭を悩ませているというのです。私は登ったことがないのですが、その金峰山と五丈岩がこれです。(山梨市観光協会)(ウィキペディア・Captain76)この五丈岩をご神体...

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王子宮・岡豊別宮八幡宮・土佐神社と秦氏

これは、高知県南国市宍崎の王子宮です。祭神や由緒等は不詳。山中の静かな境内には、諸願成就の輪抜け石がありました。茅の輪くぐりや胎内くぐりと同じ神道儀礼ですね。ここで気になったのは、参道入口、一の鳥居の下の岩です。なぜこんなところにあるのでしょう。暗くなれば足をひっかけて転びそうです。古くから磐座として信仰され、移動も除去もできないのでしょうか。  ☆さて、同じ南国市の岡豊町に、岡豊別宮八幡宮が鎮座...

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安乎八幡神社・平成末に見いだされた磐座

8月に、安乎岩戸信龍神社の記事を載せました。かつて神様は安乎(あいが)八幡神社に合祀され、廃神社として荒廃していたのですが・・・しかし現在では、美しく整備・再建されていました。一方、安乎岩戸信龍神社が合祀されていた安乎(あいが)八幡神社にも、実は磐座が発見されていました。本殿の屋根と門の間に見える、白い岩が磐座です。2018年 2月28年の神戸新聞には、こんな記事がありました。裏山の巨石に続く石段の存在から、...

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五斗長垣内遺跡と神体山・「鉄は国家なり」

一見何でもない景色のように見えますが、日本の古代信仰上の大きな謎を秘めた写真がこれです。こちらの図と同じ様式だと思います。以前にも紹介していますが、上の図は井上香都羅氏が書かれた「古代遺跡と神山紀行」に載せられたものです。井上香都羅氏は、日本国内だけでも縄文・旧石器遺跡500ヶ所を実地調査され、古代遺跡の正面には必ず形の良い神体山があることに気づかれました。その典型的な様式のひとつが、神体山の左右に...

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プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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