大虫神社と大岩神社に見る、神社の歴史と起源
- 2022/07/31
- 06:00
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これは、福井県越前市大虫町に鎮座する大虫神社です。正面写真だけが手元にないので、「ウィキペディア 藤谷良秀様」よりお借りしました。ここは式内名神大社で、社伝によれば崇神天皇7年、南越地方を平定・開拓した天津日高彦火火出見命の霊を、鬼ヶ嶽の山頂に祀ったことから始まるとされます。古代から続く、この地方の中心的なお社のようです。さて、本殿裏手には、大岩神社という小さな社殿があります。正面からのぞくと、裏...
冠嶽と秦の徐福
- 2022/07/29
- 06:00

これは、鹿児島県いちき串木野市の冠嶽です。(Wikipedia Ray_go) 前回は多紀アルプスという、修験の霊地(山岳信仰)の話題でしたが、この冠嶽もまた、古くから信仰のある山なのです。山麓の冠嶽神社。午後遅い時間帯で、山間は夕闇を感じるほどでした。くっきりとは映っていませんが、それでも伝統的な巨石・磐座信仰の雰囲気はありました。冠嶽について、『かごしま県観光サイト』にはこう記されています。昔も今も信仰の山と...
「磐座社」と丹波篠山の霊地
- 2022/07/27
- 06:00

今回も、丹波篠山の知られざる神社をまず紹介します。京都府の京丹波町から702号線を西へ走り、丹波篠山市に入ってすぐの山中に、祠があります。道路沿いとはいえ、車に乗っていては、ほとんどの人が見逃すようなささやかなお社です。グーグルマップには「磐座社」と出ていました。背後の岩盤が、神様の依りつく磐座なのでしょう。このすぐ西側にも、奥山の稲荷神社という巨岩信仰のお社が、山中に鎮座しています。 ☆下は、いまま...
宗教組織の「金の流れ」から考える巨石・洞窟信仰と丹波篠山
- 2022/07/25
- 06:00

まずは、マニアックなクイズから・・・① 映画「もののけ姫」② 谷川健一「青銅の神の足跡」③ 若尾五雄「物質民俗学の視点」それまでの生ぬるい歴史的常識を切り裂いた、この三つに共通するものは何でしょうか?それは、日本の歴史において、たたら製鉄など、鉱業の重要性を緻密な論理や映像で再構成したところです。「青銅の神の足跡」の本の序説には、≪稲作文化偏重が生む日本民俗学の致命的暗部≫という項目があるほどです。 ...
水分神社に隠された深い謎と「篠山」
- 2022/07/23
- 06:00

兵庫県丹波篠山市三熊に、水分神社という小さなお社があります。水分(みくまり)という名の由来は、篠山川の上流に「水分の神」が住み、清らかなおいしい水をこの地に住む人々に分け与えていたからだそうです。たしかに、社前にはきれいな水が流れていますね。ただし、水分神社というお社は、全国にあります。そのもっとも有名なお社のひとつ、奈良県吉野郡吉野町の吉野水分神社に関して、ウィキペディアには意外なことが書かれて...
丹波篠山に次々と現れる不思議な神社群
- 2022/07/21
- 06:00

前回記事にした弁財天の巨石。ここから登る多紀アルプスは、平安時代末期〜室町時代にかけて、三嶽(御嶽)の山腹に新金峯山大岳寺、小金ヶ嶽の山頂に蔵王堂、三嶽(御嶽)の頂に行者堂、そして小金ヶ嶽の山麓には宝塔山福泉寺があるなど、吉野大峰山に対抗する三岳修験道としても栄えたそうです。しかし文明14年(1482年)、吉野大峰山の僧兵による襲撃で焼失してから荒廃し、様々な行場が残るのみとなったのだとか。一方、弁財天...
小原の弁財天と毘沙門洞・知られざる巨石・岩窟信仰
- 2022/07/19
- 06:00

兵庫県丹波篠山市小原の山間に、弁財天と呼ばれる巨石・磐座信仰の場がありました。国道173号線、「小原の大日堂」のあたりから西側の山へと谷間をたどります。小型の四駆でないと厳しい林道をなんとか走ると、こんな池がありました。なんとなく不思議な感じのする、水の透明な小さい池です。林道を挟んだその反対側に、巨石がありました。正面に回ります。祠もあり、これが目指す弁天さんのようです。斜面を登って裏側から見ると...
三柱鳥居の不思議・和多都美神社と原始キリスト教やユダヤ文化
- 2022/07/17
- 06:00

ここは、対馬の和多都美神社(わたつみじんじゃ)です。主祭神は彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)で、古くから竜宮伝説が残されている、何とも神秘的なお社なのです。ところがこのお社には、注目を集める特殊な鳥居があります。三柱鳥居です。流木などで見えにくいのですが、鳥居の中央にあるのは、本来のご神体ではなかったかと言われる「磯良恵比須」という鱗状の岩なのです。同じパター...
瀧王神社と救馬渓観音と熊野三山信仰
- 2022/07/15
- 06:00

和歌山県上富田町生馬の救馬渓観音。ここは、約1300年の歴史を持つ、和歌山県南部で最古・最大の開運・厄除の霊場とされます。1300年前の飛鳥時代、修験道の開祖「役の行者」によって開山され、その後天暦7年(953)、空也上人が自ら刻んだ観音像を奉安。後に熊野詣でに行幸された鳥羽天皇が堂宇を建立され、寺名を「岩間寺」といったのがはじまりです。前回記事と同じように、タフォニ(Tafoni)と呼ばれるハチの巣状の風化穴などが...
金毘羅神社(白浜)・知られざる奇観
- 2022/07/13
- 06:00

和歌山県白浜町内ノ川に、ひっそりと鳥居が立っていました。金毘羅神社です。手前には、こんな奇観。奇妙な岩穴ですね。おそらく本殿も、荒々しい浸食地形なのでしょう。中心部は山腹にあるようなので、急な石段を登ります。右側が社務所で、左奥が本殿のようです。このような「奇しき岩・奇しき岩窟」に、畏怖と神威を感じた人々から始まった聖地なのでしょう。残念ながら、由緒その他は情報がありません。 ☆総本宮である金刀...