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記事一覧

川嶋ノ宮八幡(倉敷市)・謎めいた洞窟と神体山

日本の神社信仰史における、もっとも重要な原点のひとつは、神体山と磐座信仰です。岡山県倉敷市酒津に鎮座する川嶋ノ宮八幡神社(本宮)も、典型的な神体山信仰のお社でした。それほど目立ちませんが、大和の三輪山や近江の太郎坊山のように、平野部から見える里山の一部で、正面から見るとこんもり整った山容です。参道らしき道と幟が見えます。岩が目立つのは、磐座信仰なのでしょう。ここからは、二段に重なって見えます。かな...

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高岳神社・失われた古代太陽信仰

冬至の朝日が、伊勢内宮の五十鈴橋の正面に昇ることは、何度も記事にしてきました。祭神の天照大神は太陽神ですから、重要な祭祀日である冬至の朝日が重要なのは当然かもしれません。しかし、いつ誰が、何のためにこの橋の設計をしたのか、それは分かっていないのです。つまりあの伊勢神宮でさえ、太陽祭祀文化が過去から現代まで、連綿として受け継がれてきた・・・・というわけでもないわけですね。そもそも内宮と外宮の関係が悪...

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伊勢神宮(内宮)・そのミステリアスな謎解き地図

伊勢神宮には、実はいまだに解明されていない、ミステリアスな場所がいくつもあります。総集編としてまとめました。下の地図をご覧ください。茶色・・・・宇治橋まずは、駐車場からこの橋を渡って神域に入るわけです。聖俗界を分ける境界ですね。ところがこの橋は、冬至の朝日の方向に向けられています。この事実が判明したのは、そう古いことではなく、この方向性の意味は現代に伝わってはいません。黄色・・・・五十鈴川の御手洗...

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世にも奇妙な『女夫岩』と 中津川の不思議な神社群

岐阜県中津川市駒場、JR中津川駅の西側数百メートルに位置する、女夫岩。日本最大級の陰陽石で、安産と家内円満のシンボルとして多くの参詣客が訪れるそうです。以下、中津川観光協会様の説明をお借りします。神代の昔2800年前にイザナキ・イザナミの命が光臨して、天照大神を賜け、その胞衣(えな)を埋納したところが恵那山(えなさん)と言われている。また、その場所にイザナキ・イザナミが人類の繁栄と幸福のために置いた...

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夏至の恐ろしい祭儀・ホラー映画『ミッドサマー』から考える

『ミッドサマー』(原題: Midsommar)というホラー映画をご存じでしょうか。この6月19日の深夜から早朝にかけて、J:comのケーブルテレビでも放送していました。この映画では、アメリカの大学生グループが、一人の留学生の故郷であるスウェーデンの「夏至祭」へと招かれます。自然豊かで魅力的な村でしたが、実は非キリスト教である古代北欧の異教を信仰する恐ろしい共同体だったのです。大学生たちは、次々に恐ろしい夏至祭儀に巻...

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談山神社と鎌足と龍神信仰

奈良の談山神社は、言うまでもなく藤原鎌足が祭神です。談山神社のホームページには、法興寺で行われた蹴鞠会において出会った中大兄皇子 (後の天智天皇)と、中臣鎌子(鎌足)が、藤の花の盛りの頃、当社本殿裏山で極秘の談合をされました。と記されています。さらに、鎌足公の没後、御墓は摂津国 阿威山(現在の大阪府高槻市)に造られましたが、白鳳7年(678)唐より帰国した長男・定慧和尚が鎌足公の遺骨の一部を多武峯山頂に改葬し、...

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春日神社(藤坂)・地域に生きるお社

兵庫県丹波篠山市藤坂、八ヶ尾山の東麓に、藤坂の春日神社が鎮座しています。社殿の彫刻は、精緻を極める立派なものでした。境内の整備をしておられた男性に聞くと、やはり素晴らしい彫刻は、神社仏閣の彫物師として活躍した、中井権次一統によるものでした。また、ここには専任の神主さんはおられず、地元の方々が順番で祭祀役を務めておられるそうです。「神主さんがおられない田舎の神社なので、お恥ずかしい事ですが今年は私が...

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『鬼が門』という奇観

兵庫県川辺郡猪名川町万善鬼ヶ門・・・という奇妙な地名があります。猪名川町きっての名勝「屏風岩」付近の地名です。川沿いに歩くと、「鬼が門」と「烏帽子岩」という岩があるそうなので、行ってみました。川の中に、異様な大きさの岩があります。烏帽子岩のようです。何とも不思議な存在感です。では次に、さらに奥の鬼が門へ向かいます。農作業中の男性に聞くと、害獣除けフェンスの中には入れないそうです。かなり不自然な構造...

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宮古島の帯岩・大津波と人魚の伝説

これは、沖縄県宮古島市の下地島の西岸にある帯岩です。高さ約12.5メートル、周囲約59.9メートルで、海岸から約50メートル離れた崖上に位置しています。そしてこの岩は民間信仰の対象であり、大漁、航海安全、家内安全の祈願が行われています。懸命な私は、こう推理しました(^^♪ま、まちがいないっ。これは、縄文巨石信仰だぁー!ところが、そんな単純なものではない、複雑で怪奇な歴史と伝説があったのです。 ☆ユナイタマ伝説昔...

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赤秦神社・国歌『君が代』の常識を覆す出雲のお社

現在、ネットで君が代の「さざれ石の巌となりて」の意味を検索すると、ほとんどが小石が集まって大きな岩になるという意味だと書かれています。ところが、これを根本から覆す、重要な事例が書かれたブログを見つけました。「出雲大社の歩き方」ブログ様の、赤秦神社 成長する石? 世代交代する御神体の謎!という記事です。厚かましくも、赤秦神社の写真をお借りしました。由緒書きに記された通り、この神社の御神体は石であり、...

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プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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