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記事一覧

吉備津彦神社・私にとって最も知的興奮を覚える神社

現在の神社神道の基盤には、実に多種多様で謎めいた歴史的要素が隠れています。ところが、それらをほとんどすべて含んだ稀有の神社があります。ここを徹底的に研究すれば、神社信仰成立の謎が解けるかも、という重要なお社、それはどこでしょうか。伊勢神宮でも、出雲大社でもありません。私が自信を持って推薦するのは、岡山県の吉備津彦神社なのです。  ☆太陽信仰の要素このお社は『朝日の宮』とも称されます。その理由は、神...

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いそべ神社・日本一〇〇な場所に鎮座する神体山と磐座

この、一見何でもない風景。ここには、日本一〇〇という、名称が与えられているのです。では、いったい何の「日本一」なのでしょうか?ここは、兵庫県丹波市氷上町石生(いそう)にある「水分かれ公園」。標高95mの、日本で1番低い分水嶺なのです。北に流れる水は、最後に由良川となつて日本海に注ぎます。そして南へ流れる水は、加古川となつて瀬戸内に注ぐのです。日本海から由良川を遡ってきた人と、瀬戸内海から加古川を遡っ...

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神社本殿と磐座はどちらが優先か?

愛媛県大洲市北只の粟島神社。誰が見ても、本殿は聖なる岩の上に建てたんだと思う事でしょうね。では、岩(磐座)と本殿の継ぎ目をよくご覧ください。岩を削って平面にすれば簡単なのに、複雑な岩の凸凹に合わせて、ぴったりと板が乗っています。なかなか大変な作業だったことでしょう。ここに見られる法則は「神の宿る岩(磐座)を傷つけてはいけない」というタブーあるいは信仰ですね。聖なる岩を割ろうとして、石工がケガをした...

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錦秋の那谷寺と奇妙な岩

紅葉が見事に美しく、そして何とも奇妙な景色といえば、石川県小松市の那谷寺でしょう。寺伝によれば、養老元年(717年)泰澄法師が、越前国江沼郡に千手観音を安置したのが始まりとされます。その後寛和2年(986年)、花山法皇が行幸の折り岩窟で輝く観音三十三身の姿を感じ、求むる観音霊場三十三カ所はすべてこの山に凝縮されるとし、西国三十三観音の一番「那智」と三十三番「谷汲」の山号から一字ずつを取り「自主山厳屋寺」...

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日の本・天照大神の国の太陽信仰とは?

9月25日の「世界ふしぎ発見!」では、平等院鳳凰堂が特集として詳しく出ていました。十円玉で、日本人だれもが知っている建物ですね。この番組では、平等院鳳凰堂について、中国から伝わった仏教を歴史上はじめて日本オリジナルの美意識に変えて完成させたとナレーションが入っています。そして、それまで南向きだった寺院を東向きにしたとも。では、それはなぜなのか?その答えは、朝日が阿弥陀如来の顔を照らし、夕方はお堂の向...

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岩角寺と古神道、そのディープな精神世界とは?

神社の背後に、神体山や磐座があるというのは、日本の神社史におけるもっとも古い、そしてもっとも重要なパターンのひとつです。ところが、本来神社があるべき場所に、お寺があるところもよくあります。神社における磐座が、お寺では「影向石」や「座禅石」などと名前を変えている場合も多いようです。今日は、巨石累々たるお寺について考えます。 ☆「西か東か 先づ早苗にも 風の音」これは、福島県本宮市の岩角寺で芭蕉が詠ん...

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鬼の面と鬼のミイラ

これは、京都府福知山市大江町の「日本の鬼の交流博物館」に展示された鬼の面です。これらはあくまでも一時的に鬼になるための面なのでしょうが、なんとも奇妙な鬼のミイラというものが、現在も存在しています。その一つが、宮城県村田町の「村田町歴史みらい館」に保管されている鬼のミイラ。1994年に、村田村のある商家の蔵から鬼の頭と手のミイラが発見されました。その後、村田町歴史みらい館に寄贈されたそうです。それが、こ...

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葦嶽山ピラミッド・サンデー毎日のマニアック昭和史

かつてサンデー毎日が、「日本のピラミッド」を特集していたことは、以前にも書きました。(84.11.10発行)今回は、元祖「日本のピラミッド」である、広島県庄原市の葦嶽山について少し書きたいと思います。下は、葦嶽山に関するサンデー毎日の記事です。『銀河鉄道999』の松本 零士さんも参加されていたのですね。イラストも素敵でした。それにしても、あの時の「葦嶽山ブーム」はどこへ行ったのかと、一抹の寂しさを覚えます。そ...

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土石流災害と失われた巨石文化

奈良県の山添村から京都府の笠置山にかけて、巨石磐座信仰が現在も続くお社やお寺が、ほぼ一直線上に並んでいることを記事にしたことがあります。主なものとして、まずは山添村の鍋倉渓。天乃石立神社と一刀石。桝形岩。笠置山。他にもあるのですが、いずれにしろ日本の巨石文化・磐座文化を代表するような、いわばオールスター級の物件がライン上に並ぶのですから、不思議としか言いようがありません。下は、笠置山の巨石前から発...

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沖縄第一・波上宮と顔面岩

これは、沖縄県那覇市の波上宮(なみのうえぐう)です。祭神は、伊弉冉尊 (いざなみのみこと)速玉男尊 (はやたまをのみこと)事解男尊 (ことさかをのみこと)と熊野信仰との関りが強いのですが、それ以前からの原始信仰があったことは、神社ホームページの次の記載からもわかります。当宮の創始年は不詳であるが、遙か昔の人々は洋々たる海の彼方、海神の国(ニライカナイ)の神々に日々風雨順和にして豊漁と豊穣に恵まれた平...

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プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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