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記事一覧

阿用の塩竈神社・最古の人食い鬼とモリブデンと巨石信仰

島根県雲南市大東町東阿用の山中に、塩竈神社が鎮座しています。特異な形状の巨石信仰で、そこになぜ「塩土老翁神」を祀る信仰が入って来たのか、いろいろいと謎めいたお社です。JR木次線、出雲大東駅付近から県道25号線を南下すると、阿用小学校を過ぎたころに、こんな案内板がありました。塩竈神社は、阿用川の対岸にあるようです。そこでなんとか細い道をたどり、民家の前に出ておられた地元の方にも聞いて、やっと入り口を...

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藺牟田池の山王岳環状列石・神秘と静謐の山上湖にて・・・・

藺牟田池(いむたいけ)は、鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田にある直径約1キロメートルの火山湖です。希少野生動植物種であるベッコウトンボや水鳥の生息する重要な湿地として、2005年ラムサール条約湿地として登録されました。       (延岡の山歩人K様ブログより)小規模ながらも7つの外輪山に囲まれた、神秘的な山上湖です。私たちが訪れた時は夕方に近く、風も時間も静止しているような独特の雰囲気でした。周囲に人が...

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畏怖と神秘の御陵神社(鷺浦)・ひっそりと佇む詳細不明な原始信仰

出雲市鷺浦町にある御陵神社は、その由来や祭神がほとんどわからない、不思議なお社です。猪目洞窟などがある出雲の海岸沿いから、県道23号線を西南に走っていると、山間に奇怪な巨岩が露出する山が見えました。この辺りはなんとなく神秘的な場所なので、周囲をよく見て進んでいると、左側にほんの一瞬、木製の鳥居があったように見えました。気になって引き返すと、そこは樹林が薄暗く開けていました。そして草むした斜面の鳥居...

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丹波の阿陀岡神社・阿陀岡の起源を古代九州に探る

兵庫県丹波市春日町多利に鎮座する「阿陀岡神社」。「阿陀岡」は「あだか」または「あだおか」と読み、主祭神は、吾田鹿葦津比売命。この神の別名は「木花咲耶姫」で、邇邇芸命( ににぎのみこと)の妃であるとともに神武天皇の曾祖母にあたります。このお社、元は現在地の東方約1.7キロの日ケ奥(あだか山)に鎮座していたとされますが、ある時の洪水で吾田鹿葦津比売命ご本人、あるいはその御魂が流され、本殿背後の巨石群になんと...

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八重山神社・出雲の魔境に響く不思議な音

出雲は不思議な所です。足早に通り過ぎるものには見えない、幾重にもずっしりと沈殿した歴史があります。それを本当に知っているのは、グローバルな視点から出雲を見据えた、小泉八雲だけかもしれません。さて、本日紹介するのは「八重山神社」です。もちろん沖縄の島ではなく、島根県雲南市掛合町入間鷲尾山に鎮座しています。こんな山奥にも、出雲らしい神と人の営みが幾重にもありました。この地域を知るキーワードを、いくつか...

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佐太大神はペルシアの古代神?・佐太神社の謎にチャレンジ

昨日、潜戸に射す夏至の頃の太陽について書きました。その薄暗い洞窟に射す朝日とともに誕生する麻須羅神の御子が「佐太大神」でした。さらに、麻須羅(マスラ)神は、古代アーリア系遊牧民の神であるミスラ神・ミトラ神ではないのかとも推測しました。名前だけでなく、冬至や夏至などの太陽信仰や洞窟などの要素が似ているのです。本日は、その佐太大神を祀る「佐太神社」を紹介します。佐太神社の鎮座地は、島根県松江市鹿島町佐陀...

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出雲風土記の「黄金の矢」を発見!・潜戸の謎を探検する ( Kukedo cave)

There is a cave called Kukedo in Matsue City, Shimane prefecture. It is a huge cave on the sea.You can go through by boat. As of the summer solstice, the morning sun sets in.(地震で中途半端になっていましたが、改めて報告いたします。)「これ以上に美しい海の洞窟はそう考えられるものではない。」と小泉八雲に言わしめた、神秘の巨大洞窟が、島根半島の「潜戸(くけど)」です。「潜戸」には海の洞窟である「新潜戸」...

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つぶて島は海上祭祀遺跡?・出雲の海の謎

出雲市の稲佐の浜から日御碕へとつづく道路を、風光明媚な美しい海を見ながら走ります。「なんかすごい岩が海の中にある」と妻がいうので、とりあえず車を停車。私はグータラにもシートを倒して休憩を決め込み、妻だけが写真を撮りに車外へ出て行きます。まあそう大した岩や島はないはず、と思っていた私ですが、帰路は運転席側が海です。すると先ほどの地点で、異様な雰囲気の岩が海中に浮いているのが目に入りました。ただの岩礁...

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大阪北部地震と神社仏閣・これほど被害があるとは!

今回の地震で、高槻市や茨木市の神社・寺院も、かなりの被害を受けたようです。その実態を知ろうと、この地域で私自身がお参りしたことのある神社仏閣を訪ねてみました。ところで私は、かつて高槻の寿栄小学校の近くに住んでいたことがあります。市の中心部とはまた違った、庶民的なにぎわいのある地域で、私には懐かしい場所なのです。今朝は時間があったので、まず寿栄小へ。そして、ぎっしり山のように花とおやつが積まれた献花...

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稲佐の浜と弁天島・風土記神話の聖地

稲佐の浜(いなさのはま)といえば、出雲大社の西方1kmにある海岸で、国譲り、国引きの神話で知られます。またこの浜は、旧暦10月の神在月に、全国の八百万の神々をお迎えする浜ともされています。この浜のシンボルが、弁天島です。かつては海中にあったため、沖ノ御前、沖ノ島と呼ばれていました。「有名なだけで、実質ただの小さな岩山じゃん!」という感想もあるでしょう。たしかに、鳥居と祠がなければ、どうってことない景色...

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プロフィール

sazanamijiro

Author:sazanamijiro
古代史マニアですが、特に自然神道期の多様な信仰遺跡に魅せられています。

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